スカーレットの心のつぶやき
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2002年06月29日(土) ピアノ

私は幼い頃から ピアノにとても憧れていた。

その頃は 戦後の日本が経済成長をしていたころで
景気は良かったと思うのだけれど、なぜか家は裕福でなかった。

父は警察官で 家族はまだ祖母が居て その祖母が病気で
お金もかかったのだろう。
ただ、 私は二つ上の姉と二人姉妹で 兄弟が多いというほどではないから
生活に困るという感じはなかった。

そのごろは私のクラスでも ピアノを習っている子は 
ほとんど居なかったと思う。

ピアノは女の子 否 私には本当に夢の世界だったことを
覚えている。

親戚の家(従姉弟)に行くと そこには オルガンがあった。
行くと必ず 弾かせてもらった。習ってもいないのに
今思うと どんなにして弾いていたのだろうか?と不思議だ。

家で 白い画用紙を買ってきて それに鍵盤を書いて
指の練習になると思って 弾きまねをしていた。

従姉弟の家に ピアノが来る日 私はオルガンを貰えるとばかり
信じて 楽しみにしていたが 結局そのオルガンは 誰かに
あげたらしい。

従姉弟とオルガンを私にあげると約束をしていた私にとって人生はじめての
裏切りに会ったような気がして くやしかったのを覚えている。

ピアノが無理だと確信した私は小遣いをためてギターを買った。
本を買い 自己流でコードを勉強し 楽しんだ。

このおかげで 大学時代はフォークソング同好会に入り
学園祭で 皆の前で弾いたり歌ったりできた。

娘が産まれ 私は当たり前のように 4歳から ピアノを
習わせ今思うと怖くなるが 毎日 2時間は弾かせていた。

小学生になってからは 朝登校する前の一時間が練習時間になった。
私は4時に起きて何もかも用事を済ませ 娘のピアノについた。

今はこれが 大失敗だたように思う。

娘は音楽は好きなようだけれど ピアノが大嫌いと言っている。
まだやめないで続けてはいるが いつやめても可笑しくないほどで
練習は全くしない。

アップライトから グランドへ変えたとき 娘のためというよりは
自分のために買ったような気がする。

だから 今 誰も弾かないのはかわいそうなので 私は幼い頃からの
夢のピアノを 少し先生について習い その後は 自分で本を買ってきて
好きなように弾いている。

昨日から 「学生時代」を弾きながら歌っているが 嫌なことも忘れて
夢中になれる。

絵手紙が今ちょっと描きたくない分 ピアノの前に座っている時間が
多くなってきている。

私の夢はショパンの「別れの曲」を 弾きこなすことだ。

いつになるか分からないけれど 夢は大きくと思い 頑張っている。


スカーレット