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誤字脱字やら単語が中途半端に途中だとか色々あるけど気にしない。

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キレた千石
2002年04月15日(月)





Crazy.







イカレてる、と言われた事は何度かあった。
おかしいって事は良い事じゃないと思うから、黙らせたけれど。

本当は自覚も、していた。
自分には何か、他とは違う暗い感情があるのだ、と。








「亜久津」

千石が名字で亜久津の事を呼ぶ時は、決まって機嫌が悪い。
だから時たま突然名字で呼ばれると、ギクリとする。
こいつが他の不良みたいだったら、そんな事もないのだが、
とにかくこいつはおかしい。
ただでさえ変なやつだが、一旦スイッチが入ると見られただけで体が震えそうになる。
むき出しの殺意が、突き刺さる。

「…何…だよ」
「…………昨日、何してた?」
「は…?昨日……?」
「昨日、夜中に誰と会ってた?」
「……夜中……って…あー…」

記憶を手繰り寄せて「あいつか」と呟くと、千石は亜久津を睨むように見つめる。

「誰だったの?アレ。」
「あれは昔ツルんでた奴の姉貴……って何でお前、それ知って…」
「ふーん…どういう関係?」
「ただの知り合いだ、金借りてたから返しに行ったんだよ」

亜久津の返答に、 「…………ふーん、じゃあ骨折り損のくたびれ儲けだったな…」
「………………何だって?」
「何でもないよ、ねぇ、今日泊まってく?」
「あー…優紀が来るからパスだ、じゃあな」

立ち去ろうとした瞬間、左腕に痛みが走る。
あまりの痛みに顔を歪め、後ろを振り返ると腕を掴み、睨み付ける千石がいた。

「ねぇ、俺の事好きだよね?」
「……………そ…んな事…………今更聞くな、阿呆」

腕を降り解いて、逃げるように、走ってその場を離れた。
追いかけてこなかったのが幸いだが、逃げられた事で頭がいっぱいになっていた。







次の日、そいつにたまたま繁華街で出会って、姉貴が入院した、と聞いた。
その瞬間、あいつの台詞が頭をよぎった。


『…………ふーん、じゃあ骨折り損のくたびれ儲けだったな…』


怒りなんかじゃなく、ただただ恐怖が、襲ってきた。



もしも、もしもそうなら………………………あいつ、絶対オカシイぞ?


そういえば前にも似たような事があった気がする。
あの時は、あいつは何も言っていなかったけれど、そいつは殺されかけた。
そいつはその日、俺がちょっとした喧嘩で結果的に助けた奴だった。
彼は、何も、話そうとしなかった。
そして俺は、またちょっかいをかけられたのかと思っていた。

もしかしてアレも、か?







「おっはよーう!!あっくんv」
「………千石…」

いつものように抱きつこうとする千石を彼はむりやり 「あれーどうしたの?何かあった?」
「"何かあった?"……じゃねぇだろ…」
「?……何が。」
「…………お前、一昨日…その、あの女痛めつけただろう?」
「………………一昨日…?」
「…昨日、お前が聞いてきた女」

正直怖くて、彼を直視出来ずに俯いて言葉を絞り出す。
問いかけに彼は、しばし考えてから、思い出したように言った。

「………………………あーーあの子…………ね。」
「あいつ………入院したって……全治二週間。」
「…はー……それは、災難な事で。」

あっけらかん、とどうでもよさそうに言う千石に、つい怒りを感じる。

「ッ…!てめェ………」
「……………俺が、やったって言いたいんだ?」
「…………………………ああ」
「…………半分正解、半分はずれ。」
「何言って…」
「あれはあっくんが悪いんですー……あんな顔、俺には見せた事ないのに。」
「………………………千石…」
「……きっかけは君だよ。…………あっくんのせい………だから、あっくんも、共犯だよ」
「おまえ…!ふざけんなよ!ていうか前にもソレやっただろ…!!?」
「……んー…………いつの話?」
「…………喧嘩、した後………俺が、結果的に…助けた奴を」
「……あー…彼?…だって、ほうっておいたらあっくん取られちゃうかも、でしょ?」
「…な………」
「あれも、あっくんのせいだよ?……やさしくしたりするから…」
「…おまえ…何言ってんの…?」
「あっくんは、俺の事だけ考えてればいいんだヨ。」

にっこりと、笑顔を浮かべたが、
その笑顔は、どうしようもない程、恐ろしかった。











なんでテニスばっかりなんですか。

+4/17。
えと、没ったので書いてた所まで全部載せてみた。
いや、まとまらなかったのでー…うーん…。
機会があれば似たようなのを書きたいなー…。




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