2004年02月05日(木)
雑踏でのすれ違いざまに、ふと聞こえてきたのだった。 「1回こっきり」というそのコトバが。 そういえば「こっきり」なんて久しく聞いていなかったなぁとまず思い、 それ単独で使うケースなんてあるんだろうかと続けて思った。
たとえば、「短気は損気」というときの「損気」。 これが単独で使用されることはなく、出れば必ず頭に「短気は」を伴う。 「こっきり」もそれと同類で、「1回」とか「1度」と対になっているようだ。 とまぁそんなことを、にわかに国語学者と化したぼくは考えたわけだ。
しかし、「こっきり」とはそもそもなんだ。 七寸五分か。って、それは「コキリコ」だ。 気を取り直して広辞苑を引くと、 「ちょうどそれだけ、かぎり、だけ」とある。
「ちょうどそれだけ」なら「千円こっきり」もあるはずだが、 その場合はふつう「千円ぽっきり」というようだ。 では「ぽっきり」とはなんだ。 「ちょうどそれだけであること、かっきり」。
で、「かっきり」がなにかというと、 「数量などに端数のないさま、きっかり」とある。 さらに「きっかり」はというと、 「数量・時刻などがちょうどで正確なさま」である。
なんだか混乱してきたが、これらほとんどと 若干別の意味合いをこめて(誤用ともいう)、 「きっちり」をぼくは多用していることに気がついた。 ついでに、子供の頃「ちょっきし」を使っていたのも思い出した。
☆彡
ところで、謎の七寸五分「コキリコ」とはいったいなにか。 それについて調べるのはきっちり忘れてしまっていた。
だからそれは誤用だって。
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