2003年12月15日(月)

■ 下巻の謎。

図書館で10人待ちだった大沢在昌の「天使の爪」、
ブックオフで発見するも下巻のみ。
……げ、下巻のみぃ?
どういうことよ、下巻のみって。

下巻だけ売りに来た奴がいるとは思えないから、
上巻だけ買って帰った奴がいると考えるのが妥当だろう。
そやつはきっとこう考えたにちがいない。

まとめて買っても上巻で挫折したら下巻が無駄になってしまう。
上巻を無事読み終えてなお続きが読みたかったら下巻を買おう。
1冊だけ残った下巻を買う奴はまずいないから安全な作戦だ。

オトナじゃないな、そんな姑息なこと思いつく奴は。
読書家の風上にも置けんぞ、それは。
てか、下巻だけ売れ残っても仕方ないんだから、
最初からセットで売れよ、ブックオフ。

などと毒づいてから2週間。
再び覗くと、今度は上巻1冊、下巻2冊がお出迎え。
もちろん上下巻揃えて購入したが、
まだ見ぬ彼はどうやら上巻だけで挫折した模様。

そこで再びぼくは夢想した。
こやつの家には上巻とか第1巻が溢れているのだ。
「徳川家康」も「三国志」も「水滸伝」も、
「グイン・サーガ」も「銀河英雄伝説」も「十二国記」も、
「ドカベン」も「ドラゴン・ボール」も「こち亀」も、
みんな最初の1冊しかないのだ。

そいで、いつの日か彼は本を書く。
「いきなり連載第1回」。


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