2003年11月19日(水)

■ そんな天国はイヤだ。

妻の好きなエレファント・カシマシに「奴隷天国」という曲があって、
それはなにか大いに矛盾したタイトルなんじゃないかと、
ろくに歌詞を聞こうともせぬまま、ぼくは思っていたりするわけだ。

天国と聞いて真っ先に思い出すのは太平天国、
それと対になるようにして出てくるのは裸天国というぼくだが、
幼い頃に聴いた曲には「ダンス天国」、「口笛天国」、
「トンネル天国」なんてのもあった。

「ダンス天国」については、踊り明かして幸せな気分はわかる。
だが、口笛を吹き続けなければいけない天国とはどうだろう。
もはや拷問に近いものがあるのではないか。

そして「トンネル天国」の歌詞ときたら、いきなりこうだ。
「トンネル抜けて〜」。
抜けたら、そこはもうトンネルではないだろう。
単に天国と名づけてみたいだけだということがわかるのである。

というぐらいで、我々は天国が大好きだ。
なんでも天国にしてしまうヘキがある。
検索してみたら「極楽天国」というのもきっちりあったし、
まさかと思った「ヘブン天国」まであった。

そこでぼくは提案する。
検索にはまだひっかからない。
これからが旬だろう。
「地獄天国」。

なんだそれは。




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