短いのはお好き?
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丸の内線の本郷三丁目駅に 電車が着いて いつものようにどっと 車内から吐き出されるようにして プラットホームに出る
階段を上りながら あっ!
と思った
以前いっしょに働いていた 女のコにそっくりな いや、面影が良く似てる女性が前を歩いてた シノブって名前だった
ただそれだけなんだけれど 会社に着くまでの道すがら シノブのことが想い出されて 仕方なかった
あの時 シノブとユカとボクの三人は とっても仲良くって 周りのみんなが羨むほどだった
でもボクはユカに恋してた シノブの方が綺麗なことは たしかだったけど ボクはユカが好きで好きで たまらなかった
おもい切り抱きしめたいと 何度思ったことだろう 簡単に手折れてしまいそうな その華奢なカラダを 軋むほど抱きしめたかった
ユカ
ユカ
ユカ
何度キミの名を呼び 想ったことだろう
でも いま やっとわかった ほんとうは シノブが好きだったんだと
ぼくのこころの小箱には ユカじゃなくって シノブが棲みついていたらしい
なんでこんなにこころが騒ぐんだろう ユカが好きだったんじゃなかったの
そうだよ 確かに好きだった
でもね ほんとはね…
シノブとはケンカしたこたがあるんだ ユカとはそんなことなかった
シノブのこと 少し嫌いって思ってたこともあった
でも でも
じっさいは それがシノブのこと 愛してたから かもしれない
ボクは不用意な言葉で シノブを 深く傷つけたことがある
シノブは俯いたまま なにも言わなかった
シノブにボクは 結局謝らなかった
シノブ いまさらさ こんなのってないよね
もう逢えないっていうのに どうしたら いいんだよ
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