母のタイムスリップ日記
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箸が転がれば それだけでも笑い始めそうな今日の母だった。 私に対してだけではない 周囲のみんなに対して笑いのおすそ分けできそうなくらいだった。
間違いなく今日は排泄があるだろうという予感。 それもお腹の中が空っぽになるくらいに…。 職員に聞いたところ 3日目だそうだ。
躁状態が過ぎてしまっているのか 食事が進まなかった。 でも時間をかけて 全量摂取できた。
食後 歯磨きをしてトイレ誘導。 母は自分でお腹を擦っていたので「間違いない」と思った。 が 暫く待っても出る気配がない。 「閉めて」と幾度かいうので 終了し リハビリ体制に入った。
療法士さんが見えて5.6分した頃「でたな」というにおいがした。 療法士さんも気がついて 臀部の方のリハは避けて下さった。
リハ終了後 トイレ誘導し用心深く処理。 その後 緩めの物をトイレで排泄できた。
ご機嫌は 続いた。 そこで 爪切りをした。 ホールで職員から「危ないから動かないでよ。さっきから言っているでしょ」と注意されている方がいたので 居室に呼んで一緒に過ごす。 「あなたは やさしいね」と言ってくださった。 気持ちの何処かで「助かった」と感じているようすだった。 掛けられる言葉の雰囲気で人の気持ちを敏感に感じ取れるのだ。
認知症の人に注意しても 悪い影響はあっても良い事はないという事はもう身に染みているだけのこと。 母と歩んできた道の教えでもある。 職員も苛ついているのだろうから ちょっと風を避けてもらっただけの事。 聞かなくとも良い言葉は 聞かないほうがいいし こちらとしても耳障りな言葉を聞くのも心地良くない。 そういう身勝手な思いのアクションなので「やさしい」と言われるとちょっとこそばゆい。
「爪切って貰えていいね」とも言われた。 でもその方の爪は綺麗に切ってあった。 「あなたは 娘さん?」とも聞かれた。 「そうです」と言うと「家にも娘がいるよ」と話された。 勿論 お会いしているので知っている。 「優しい お嬢さんですよね」というと「そうね」と返事なさった。 お嬢さんの名前も言える。ちょっぴり羨ましかった。 職員の仕事も片付いたようでバトンタッチした。
それから 母に持参した柿を食べて貰った。 自力で食べ始める事はなくて 一口口に運ぶと「んまい」とニコニコ。 それから 介助を受けながらほぼ全量食べた。 それから 娘が作った生姜液を割って シュガーシロップを入れて飲んでもらった。
母の興味は シュガーシロップの容器だった。 自分で手に取って 容器をぺろっと。 甘いと判ったら それを幾度も手を伸ばしてなめていた。 使い終わっているから 容器に微妙についている物なのだが…かなり美味しかったみたい。
好みの味に出会った時のなんとも言えない満足気な表情…。 ほんと正直だと思う。 体調が良い時でないと出会えない表情でもある。
職員が居室におやつを運んで下さったので それも頂く。 しっかり食べて飲んだ。
ホールで入所者の「来ないで!」と言う声が聴こえた。 出てみると ひとしきり室内を歩いていた認知症の方が自分の定席に着かれる所だった。何も間違った事はしていない。
目の前にいるだけでも邪魔という理不尽な言いがかりだった。 たった今 お風呂から上がって職員とおしゃべりできてゆっくり出来たのだから そんなに苛つかなくてもよいと思うのだが…。
「ちょっと お部屋にいらっしゃらない」と認知症の入所者をお誘いした。 「ありがとう」と言って居室の椅子に座られてくつろがれ 暫くして「またね」と出て行かれた。
おやつの片付けのためキッチンに出た隙に 母も立ち上がってホールに移動してきた。 1度居室に戻って 再度トイレ誘導した。 もう 排便はなかったが尿はでた。
その後 ホールに移動。 その当りから お天気が変わり始めた。 職員は「さびしいんだと思います」と言われた。 が 帰ることの予測はまだできていないと思うし 他に理由があると思ったがずっと着いている訳ではないので「そうでしょうかね」とはぐらかし 施設を後にした。
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