母のタイムスリップ日記
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2005年12月12日(月) 何を言いたいのだろう?


 利用者さん訪問。
お訪ねすると金曜日の行事の話しやご家族のお話を矢継ぎ早にお話下さった。

ご家族が住まわれている所は 利用者さんがもともと住まわれていた所だ。
そこの地域の高齢者が集う会に金曜日にお出かけになったのだ。
昔 あまりお話しする事もなかったのだけれど…皆さん欲覚えておいでで
いろんなお話をしてくださったそうだ。
石鹸を使って 飾り物を作られたそうで 見せていただいた。
綺麗な模様の紙のような物を切り取って お水で石鹸に貼り付け透明の袋に入れ 飾りのリボンを結んだものだった。
「出かけたほうがいいですね。気分が随分変わりましたよ」と言われた。
ようやく 前向きさを取り戻されたご様子にホッとした。

「あのね 先生に(半分冗談ぽく)リボン結び教えていただこうとお待ちしていたんですよ。昨夜 リボン結びが出来なくて…」と言われた。
丁度 換気扇のお掃除を始めて手がベトベトだったので「少し待ってくださいね」と返事した。
暫くしたら…「あら 出来ましたわ。昨日はいくら頑張ってもできなかったのに…」勿論 私が襲えたりする前に ご自分でリボン結びがちゃんと出来たのだった。
「出来ない…と思い込まれて 意地になって取り組みませんでしたか?」
「ふふ お見通しですね」
「いつも 出来ないとまっしぐらに走り出されるのですもの…」
「そうね こういうのが良くないのですよね」
「いえ そこも良い所だと思いますよ」

「お蔭様でね お料理も何とかできるようになり 食欲も出てきました」
「ほら 前向ですものね。皆さん『出来ない』と思ったら もう直ぐに諦めてしまうのですよ。素晴らしいですね。見習って行きますから…」と伝えた。

「きょうはね。お買い物がありますので…」
「はい。それでは ここの仕事片付いたらでかけましょう」

と言う訳で 買い物に出かけた。
歩き方も 弱点によく配慮なさって居られた。
迷う事もなくなってきた。

ようやく 通常の前向きさを取り戻された様子。。。

活動を終えた足で 母の所に向かった。
母は やっぱり泣き虫さんだった。
しきりに何かを話そうとするのだが 言葉を選びきれずに黙ってしまう。
こちらが誘導して話を振って見るのだが 黙り込んで俯いてしまう。
話せないもどかしさがあるのかも知れない。
それは きっと辛いだろう。。。
「おかちゃんの傍。。。」それだけがようやく話せた。
「判ったよ」と抱きしめると肩をカタカタ震わせた。

母の居室で昼食を摂った。
食事が済んだばかりなので 沢山食べる事はなかった。
お茶を飲んで貰う。

食事が済んでから「お散歩行こうか?」と聞くが どうにも曖昧。
気乗りがしないのだろう。
それでも「行くよ」と言う返事。
「何処まで行く?」と聞くと「あそこ」と窓から見える公園を指した。

それにしても…と思う。
ほんとは歩きたくない様子なのだ。
私から幾度も言われて「出ろって言っているのだな」と感知しているように思われてならない。
引き返そうかと幾度も思ったが 歩くリハビリも気になるし…。
結局 公園まで歩いた。
気温も下がっているので寒そうでもある。
良心の咎めを覚えながら 歩き続けた。

突然 パトカーの音。
瞬く間に7.8台のパトカーが直ぐ近くに集まった。
何が起きたのかはまったく判らない。
母は「光ってる」と言う。
「うん パトかーだよ」

騒がしいので 逆戻りする事に。
楽しみのためコンビニに寄った。
母はチョコレートを選んだ。
レジに運んで行くと「下さい」とお店の人に伝えた。
とても懐かしい響きだった。

チョコを手に施設に戻った。
母は どうも家に行きたかったのではないか?
行く道が違う事に ためらいを見せた。
それでも 涙を見せる事はなかった。
諦めたのかもしれない。

居室でチョコを食べた。
吐き出す事もせずに美味しそうに…。数粒食べていた。
コニャックが入っているチョコで直ぐに咬んでいた。

こちらは インフルエンザの予防接種の痕が腫れていて 一度医師に見てもらわねばならない。
少し早めに 施設を後にした。

其の頃には 母も落ち着いてテレビを見ていたのでホッとした。



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