母のタイムスリップ日記
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2003年07月11日(金) トラブル勃発か?


 昨日、散歩から戻るとテーブルではAさんが針仕事をしていた。
これは、入所以来 はじめてみる光景である。
「へえー。針仕事もするんだな」鋏も出ていたし…。
Aさんに「雑巾ですか?お上手ですね」と声をかけると「へへへ。こう見えて好きなのよ」とニコニコ顔。
母にも編み物を出してあげて、ソファーで作業してもらった。
と、
「あんたなんか、できないくせに何すんのよ。やれるものならやってみなさい」と大きな声でAさんの怒鳴り声が聞こえた。
見てみるとFさんが「何してるのだろう」と興味深げに雑巾を手にしていたのだった。そこにAさんは、自分の縫っていた物も投げ出してしまっていた。

きっと、自分の仕事の邪魔をされたと思ったのだろう。
自分だけができる人と満足していたのだろう。

言われたFさんは、気がつかない風でマイペース。
だから、大きなトラブルにはならなかった。
これが、気の強い人なら取っ組み合いになる所だろうな…。

職員も直ぐ気が付き、Fさんにできるかな?といった風だった。
「きっと、初めの一針だけ縫って渡せば縫えると思いますよ。母がそうだったから…」というと早速そうなさっていた。
Fさんは 手早く縫い始めた。
Aさんより ずっと早いペースで。
痴呆度は、Fさんのほうが重い。初めの一歩が出ない。
Aさんの方は、言われただけで作業に入れる。
こんな風に、できないように見えても案外できる事ってあると思う。

きっと、Fさんは、入所一年ちょっとで、初めての針仕事になったと思う。

職員の方は、仕事を終えて、しっかり針の点検をしていた。

母はといえば「ソファーで一人の作業は嫌」といい 私の隣に移動してきた。
この辺が「誰にも邪魔されたくない。私の大切な人」という事を裏付ける行動なのだろうか…。 


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