あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2009年01月10日(土) ゆきのひ





視界の先を白く細かなものが舞っていた。
しんと静まる夜道を足早に歩けば、アスファルトの上をきらきらと光るものが埋めていた。

 明日もまた冷たいらしい、

憂鬱な寒さの中をどこかはしゃいだ気持ちがよぎり、不思議に感傷的に夜の黒のなかを歩く。
傘を握る手がゆっくりと感覚をなくしてゆくのを
まるで映画の登場人物が寒がっているみたいに遠く感じている。


冷たい、冷たい朝。
夜から夜明けまでの闇がとても好きで。
ここにひとつの小さな灯りがある、それはただの安い孤独でしかないが、
わたしという名を捨てたひとりを包んで閉じている。
名を呼べなくなってから、
心は秘めるより更に裡にこもり
憂鬱さと祈りのはざかいに立ったそこからわたしを見ている。

少しずつ、変わっていくものがあるのが今は救いだと思う



いつもきみがわたしを追い越していく。
それでも今は、
わたしが先に立っているのだとまだ少し、笑ってみせる。
さようならをいつか、言える日が来るといい。









↑髪の上、肌の上、息に混じる、つめたいもの

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元気かい、神様。
わたしはまだここにいるよ。




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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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