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■ 蝉ゼラブル
私がしている朝五時からのコンビニのバイトはまず、お店の周りの掃除から始まります。駐車場のごみを拾い、灰皿を洗い、看板を拭き、ごみ箱にごみがたまってないかチェックしたあとごみ箱を拭き、最後に公衆電話を拭いたらおしまいです。
まあ、なんてことないです。大体十五分もあれば終わります。
が
んが
今日はそうはいきませんでした。
ごみ箱のそばにセミがちょこんととまっていたのです。
私が虫を嫌いなこと、とりわけゴキブリっちを嫌っていることは以前この日記に書きました。
私は同じくセミも嫌いです。ミンミン鳴いてる分には一向にかまわないのですが、半径1mにセミを発見するとしばし硬直します。誰かいればまだ平気なのですが、一人でいるときにそのような状況になりますと、固まります。セミは私にとって固めるテンプルです(私は油か)。
何故にそんなセミごときでそこまでなるのか、それには訳があります。
10年ぐらい前のガールスカウトのサマーキャンプに参加していていた時の事です。キャンプファイヤーも終わったので、さてテントに帰ろうと思い、手に持っていたパーカーを羽織ったときです。少し背中に違和感を覚えました。
Tシャツとパーカーの間に「何か」がいるような気がしたのです。
変だな〜と思い、パーカーを脱いだ瞬間、後ろにいた友達が叫びました。
「か…加藤(あえてPN)ちゃん…!!!アンタの背中にセミいてるぅ!!!」
え…と思った瞬間、その声にびっくりしたのかそのセミが大音量で鳴き始めたのです。
ミ〜ンミンミンミンミンミン…!!!!!!!!!!!!!
リーダーも友達たちもしばし硬直していたのをうっすらと覚えています。でもそんなことどうでもいいんです。
鳴くときの振動がダイレクトに背中に響いてるんですってば!!!!!何か微かにビビビビビビと振動してるんですってば!!!!!!か〜な〜り気持ち悪いんですってば〜!!!!!!!!!!
恐怖と混乱のあまり私は走り出しました。もしかしたらびっくりしてどこかに行ってくれるんじゃないかと思ったのです。でもセミはしっかりとTシャツに引っ付いているので離れてくれません。リーダーが、友達が「止まってくれなセミとられへんよ〜!!」と言ってくれてるにもかかわらず、私はひたすらセミとランニング(やたら激しめな)をしていたのです。
…それ以来セミは嫌いです。
そんなことを思い出しながら私はごみ箱の前で数分放心してました。ごみ箱を拭くためにはこのセミの半径30cm以内に入らなければならないのです。そんなことしてまた背中にとまられて鳴かれたらたまりません(結構なトラウマになっている)。とはいえ掃除はしたい…葛藤です。葛藤が私の中で生まれ始めたその時、ゴミ箱の前でしているボーっとしている私に不信感を抱いたのか、夜勤のお兄さんがやってきました。そしてセミを見て一言。
「それもう死んでるよ。」
…早く言っておくれよ…。加藤さんこの数分間を死んでるセミに費やしちゃったよ…。
2002年07月23日(火)
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