ゲームセンター

同僚と夕飯を食いに行った際に、
どうしても行きたいと駄々をこねられて
仕方なくゲームセンターに行くことになった。

ゲームの類は熱くなると止まらない危険性があるので、極力やらない。
隅っこのほうでスロットゲームをする。

ふと見ると、なにやらトチ狂ったように踊る一人の若者が。
今風のナウなヤングなのだが、どこかズレてるような格好。
言うなれば、田舎のオートバックスなどにいそうなタイプ。
しかも、英字が無数にプリントされたシャツを着ている。

Jack!Tony!

などの文字が山のようにプリントされている。

その若者は何を狂ったように踊っているのかというと、
どうやらDDRとかいうゲームらしい。
画面に出てくるステップに合わせて実際に踊るゲーム。

彼はそれを必死に踊っていた。
汗だくになりながら。
少々肉つきの良い体を小刻みに揺らしながら。

溢れるビート。震えるビート。もう止まらない。

なぜか、プリクラを取りに来た婦女子などが見ていると
オーバーアクションになってビートが増す。

踊り終えた彼は、ゼイゼイ言いながら何処かへと消えていった。

かと思ったら、両替に行っただけだったようで、
山ほどの百円玉を右手に忍ばせて
ダンスマシーンのステージへと上がっていった。
その後は怒涛の連コイン。彼のワンマンショーだった。

いったい、何がそこまで彼をダンスに駆り立てるのか。

とりあえず、冬だというのに汗だくになって、ビッショリと背中に張り付いていたシャツの「Jack!」の文字が印象的だった。
2002年12月01日(日)

Iremun2 / Ota.P

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