中学生のとき、耳のいい自分を何度も呪った。嫌なことばかり脳へ伝える之を殺してやりたいと何度も思った。利かなくなればいいと何度も思った。今はー・・・どうだろう。嫌なことが見える目を利かなくなればいいとは思わない。大切な人の声が聞こえるこの耳に感謝する。電車の向かいの席に座った男の子は両耳にブルーのスケルトンの補聴器をつけていた。ぎこちない手話に胸が痛んだ。