大切な人を失う恐怖というのを味わったことがなかった私は、
ある意味では とても幸せだったのかも知れない。
母がつらい病気を患い、苦しい日々を過ごしている。
母とは言っても、義理の母。
だけれど、私にとってはとてもとても大切な人。
こんなに晴れ渡ってきれいな青空の日。
そんな日にも、人が生まれたり、死んだりして。
誰もそれを止めることができなくて。
なんのために生まれて、出会って、わかれるんだろう。
入れ違いにいのちが延々続いていて、
その循環をここでストップだよって言う人はもちろんいなくて。
その続いていくものが生命であり、宇宙そのものなんだろうけれど、
その壮大な輪の中の小さなひとつの生命であるということ、
日々感じながら生きていられる訳じゃなかった。
生があり死があり、スピリットは受け継がれ、
続いてゆくと言うことを、概念として理解はしているつもり。
けれど、ね。
ふと、遠くを見つめて考え込んでしまうときもあるよ。
身体の中に爆弾を抱えて生きる恐怖も、
笑うだけで全身を貫く痛みも、
私には想像すらできない。
愛する人々といつか別れる日が来る、
そしてその日は
ほかの人々よりも 早いのかも知れないというつらさも。
私に何が出来るかわからないけれど、でも一緒に笑って泣いて、
瞬間を大事に共有したい。
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