気分刊日記

2007年10月31日(水) 結局逃避先は映画館

ちょっと、平日に休みを取ってみました。でも、結局映画館に行ってしまうのです・・・。もっと有意義な時間の使い方をしなくてはと思うのですが、だって水曜アミューズ系1000円なんですもの。と、言う事で『クワイエットルームにようこそ』『パンズ・ラビリンス』を、いつもの出勤時間に出かけて有楽町に新しく出来たシネカノン2丁目で連続鑑賞!どちらも期待通り、最近2本観てどちらも良かった事って無かったので気分いかったです!

そしたらもう、午後3時なのね。家に着いたらほぼ夕方で、さすがに2本映画を観たら疲れていたので昼寝(?)して起きたらもう日が暮れていた。夕食を作って一服してあっという間に1日が終わりですよ。最近映画を観る事が人生に取ってリスキーな時間の使い方なのでは無いかと思ってきました。特に天気のいい日とかね。

あと、久しぶりに封切りのCD買いました。毎度Wポイント実施中のタワーレコードで買いました、なんだかポイントカードのシステムが少し変わったようです。で、今回購入したのは3枚、どれも洋楽の女性ボーカル。BAT FOR LASHESFUR AND GOLD」、FEIST「THE REMINDER」、Nellie Mckay「GET AWAY FROM ME」。BAT FOR LASHESはこのPVが耳に残って離れなかったから。最初はビョークかと思ったけど、FEISTはnew iPod nanoのCMで流れていたやつね、こちらはPV。Nellie Mckayはよく行くブログでピックアップしていたのがきになって、因にPV

 クワイエットルームにようこそ
松尾スズキの作品を舞台や本などそれなりに観て来た人はすんなり飲み込める人生論。でも、男性である松尾スズキが女性ばかりを主人公にして描くのはなぜだろうと思ったんですが、実はそれにはたいして意味が無く、単純に画的に、エンタメ的に、商業的に、そして原作がそうだからなんだろう。

結局それぞれの登場人物の生き様=魅力が紡ぎ出す群像劇で、主人公・明日香(内田有紀)と鉄(クドカン)の関係も恋愛関係に見えて実は、依存であったり、成り行きであったりして、感情による結びつきよりもな寧ろ個人の資質に寄る所が大きい。

日常と言う大きなストリームの中で物語として提出するには極端な状況に極端な人々(特殊な人々)が集まる事で物語として成立させる。ただし、リアリティーが無くては観るものの共感を得られないので、極端と言っても、あくまで日常でもあり得る様な状況や人々に脚色を加える。って物語では当たり前の事ですが、松尾スズキの場合、日常から切り離された状況(病院や戦時下、過疎の村)に虐げられる人々を置く。

パンフでは、同じ様なシュチュエーションと言う事もあり「カッコーの巣の上で」を参考したと書いてあったが、まさに観ていて同作を思い出したので納得。にた様な作品と言う事で「17歳のカルテ」や、案外「ショーシャンクの空に」も近かったりする。

そう言えば、デビュー当時松尾スズキチルドレンを自称していた本谷有希子が以前NHKのトップランナーに出演した時に言っていたのは「性格悪い人が面白い」「極端な人がいい」みたいな事を言っていたのだが、その辺が相通じるのだろう。(演ブゼミで松尾スズキの生徒だったしね)

で、役者も上手い人ばかりでそつがないのだが、内田有紀に関してはこの映画のプロモーションで吉田豪のインタビューを受けた時の話を、吉田豪がストリーム豪さんのポッドで話していたのを聞いてから観たのでより味わい深かった。また、ハリセンボンの箕輪はるかって以外と芸達者だ。


 パンズ・ラビリンス』・imdb

恐ろしい程期待通りの素晴らしい出来です。尺、造形、衣装、役者、ストーリー、個々の役者・・・どれをとってもバッチし!おとぎ話、寓話、物語としての骨子が素晴らしい。特に、ストリーテリングは秀逸で、思春期の少女の心理やスペイン内乱時の社会状況を描きながら、同時におとぎ話としてのファンタジー性を失わないと言うスゴワザ!

専門的な解釈は多くの評論家がしているのでわたしの様なものがする事ではないが、戦時下と言う状況&人間心理がドラマを骨太に、主人公の少女の面影が子供と大人の間でゆれ動く微妙なビジュアルでそれを繊細な演技で表現している。そして、作り込まれた美しくも恐ろしい造形と控えめなVFXがダークファンタジーの要素を盛り上げています。

昨年のゴールデンウィークに観に行った「アリス・イン・タイドランド」にも同じものを求めて行ったのですが、残念ながらだめだったんだよ。いやぁ、ギレルモ・デル・トロのセンスと感覚は凄い!この調子で「ヘルボーイ2」楽しみにしております!!


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