言葉のサラダ
黄と藍
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借りた本
きらいなタバコのにおいが好きになってゆく
この本はあの人を思い出させる
嗅覚がわたしをゾグゾクした、甘い恋におとす
おとされるならどこまでも
開いた本に鼻を挟むくらい寄せて
すぅっとかおるのはあの人のにおい
誰もいなくなった駐車場で
ホタルが一匹あの人の口元に
白衣にタバコなんて似合わないから
余計に目を奪うんだ
あのときから
あの人に呼ばれるためなら
適当に付けられたわたしの名前でも
わたしは喜んで振り返る
2008年06月17日(火)
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