Mail   Home   Bbs

Back   Index   Next

2001年03月18日(日) 水墨画の夜に
 三代目魚武濱田成夫の詩にも同じタイトルがありますが、これは恋に落ちる詩で、私の水墨画の夜は全く違う。私は実は物凄い寂しがりやで、1人で、特に家にいるのが大嫌い。例えば三日後にはデートの予定があったとしても、私はとても寂しい。一人暮らしなんだから当たり前だけど、下から見上げた自分の部屋の電気が消えてるのが凄く嫌い。だからいつも鍵をあける時がこの上なくブルーで、多分歩いてて、暗いうちのベランダが見えた所から部屋までの間が、私がもっともよく泣く時間だと思う。だから私は1人の日の方が、断然寝つきがすこぶる悪くて、寝不足である。恋人も好きな人も居ない時期なんてひどいもんで、部屋はいつも誰も居ないに決まってるし、デートの予定もあるわけないから、私は独りの家の時間が恐いので、考える間もないように、飲んだくれ人生に陥る。そして、寂しいのが頂点に近付くと、私に水墨画の夜は来るのだよ、ベイビー。結構しょっちゅう来るんだけど、目の前が水墨画みたいな風景に見える。水墨画だから色彩もない。色彩がないから感情もない。こうなると寂しくも哀しくもない。でも涙は流れる。そして決まって思い出すのは、親が本当は成人するまで生きられないはずだったってポロっと私に言っちゃった事。普段は全然気にならないし、全然大丈夫じゃん、って思ってるけど、この時間だけは、本当は、内緒にしてるだけで、執行猶予みたいなもんで、死んじゃうんじゃないの?と思う。そして、私が1人が嫌いなのは、1人の時に死んじゃったら嫌だな、恐いなって、本当は私思ってるんだろうな、なんて、淡々と、感情も動かないまま、ボヤっと考えながら朝が来て、水墨画の夜はあける。

水墨画の夜が来るのが恐いから、私は1人の夜が嫌い。そして1人が嫌いな理由を水墨画の夜に思い出す。私の似顔絵を書く時は、くれぐれも色付きにするように。



My追加


Design by shie*Delicate Erotic
thanks for HTML→HP WAZA !
thanks for IMAGE→PSYCHOGRAPHERS!
エンピツユニオン