スタンドから眺める木漏れ日
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無遅刻・無欠席・無早退」 小中学校のころの私にとって最も縁がなく、 別世界の言語にさえ思っていた言葉である。 「そんなもの、一体何がえらいんじゃいっ!」 と、卑屈にさえなった時期もあった。
小児ぜんそくを患っていた私には、無欠席など高嶺の花。 幼稚園のころは、半月ほどの通園でごほうびシールがもらえた。 それから考えれば、平均で月1〜2日程度の欠席なら 私自身としては上出来であった。
出席した日数のうち、半分以上は遅刻だったと思う。 理由は簡単。早起きが苦手だったからである。 そのころの私を知る近所の方々は、口をそろえて言う 「そういえば、毎朝カバンをガタガタならして走ってたよね〜」 「カタカタ」ではなく「ガタガタ」。 当時の「通学ダッシュ」の凄まじさが、この違いによく表れている。
高校に入ってから、ダッシュで学校へ向かうことはほとんどなくなった。 遅刻が減ったというわけではない。むしろ、確実に増えていた。 このころ、朝のHRまでに教室に入った記憶は少ない。 1時間目、あるいは2時間目の授業が終わるころ コソコソっと自分の席に向かっていた自分がいた。
学校には行きたくなかったが、親にせきたてられ仕方なく登校していた。 そんな毎日が3年間続いた。 そのうち、学校には行きたいが身体が拒否反応を示すようになった。 私は高校を一旦休学し、後に退学する。 「もう学校へ行かなくてもいいんだ」 それまで、自分の心を覆っていた黒く厚い雲の切れ間から 徐々に太陽の光がこぼれだしていくのがわかった。
あれから10年とちょっと。 去年の秋から、早朝のバイトを始めた。 慣れというのは恐ろしいもので、毎朝5時になるとキッチリ目が覚める。 おかげさまで、現在のところは憧れの「無遅刻・無欠席・無早退」である。
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