スタンドから眺める木漏れ日
DiaryINDEXpastwill


2000年12月28日(木) 幸せの大きなオナカ

ここ数年は家族揃ってクリスマスを祝っている私ですが、
最も幸せなクリスマスを迎えたのは、3〜4年前に1人暮らしをしていたときだったように思います。
だって、そのとき買った…というか友人に無理矢理買わされた(笑)ケーキやローストチキンを独り占めできたんだもの。
あれ以上の喜びにひたるクリスマスは、おそらくもう来ないでしょう。←ただの「いやしいぼ」か?(笑)

そういえば、この時期になると思い出す人がいます。
それは、高校時代の恩師であるS先生です。
私の友人は、先生のおなかを「幸せのおなかだ〜」と言ってはよくさすっていました。
食べることと飲むことをこよなく愛していらした先生のおなかは、今にもはちきれんばかりの見事な「太っ腹」。
言われてみれば、本当に御利益がありそうなおなかの持ち主でした。
しかし、その太っ腹は見る見るうちにしぼんでいってしまったのです。理由は末期の胃ガンでした。
「今年いっぱいもつかどうか…」
そう言われた年の12月初めに、東京で入院生活を送る先生を友人と2人で見舞いました。
酸素吸入用のマスクを自ら外して話をされる先生の声は、いつもとまったく変わらずに張りのある声でした。
「退院したらまた静岡に来て下さいね」
私たちのお願いに、先生は笑顔でピースして応えてくれました。
クリスマスが過ぎ、誰もが一緒に年を越せると思っていたある日、先生は静かに旅立たれました。

この時期になると、私は必ず先生のことを思い出します。
幸せの大きなおなかと笑顔のピースサイン・・・先生、絶対に忘れません。
あなたに出会えてよかったです。ありがとう。

今でも、同窓会を開くたびに先生の思い出話がよく出てきます。
でも、「そろそろ先生のお墓参りをしなきゃね」と言うときまって皆黙ってしまいます。
実は、先生が亡くなったときには誰もがその出来事を信じようとしなかったため、
お墓の場所はおろか命日さえはっきり覚えていないのです。
おかげで、墓参りに行きたくても一体いつどこへいけばいいかわからず、話が出ても毎回立ち消えになっている始末。
せめて一度くらいは、みんなそろってお墓参りに行かなくちゃね。

というわけ先生、あなたの教え子は決して薄情なわけじゃないのよ。(^^;)


Shiratama Akkey |MAILHomePage

My追加