膀胱炎再発・その1

 にょらが吐く音で目が覚めた。午前4時半。あわてて飛び起き、ティッシュを持って走る。いつもは何度も続けて吐くのだがきょうは1回だけですみ、吐いたものを始末してベッドにもどった。

 しかしなんとなく気になり、またベッドから出てにょらの様子を見にいった。すると、わたしがベッドにもどるときにトイレに入ったはずなのに、また入っていくのだ。おかしい。そしておしっこの音もしないのにトイレから出てきた。膀胱炎が再発したんだ。すぐにそう思った。どうしよう、まだこんな時間。病院があくまで4時間以上もある。

 とりあえずおしっこを採らなければと思ったが、一度に1〜2滴しか出ないのである程度の量になるまで待っているうちに、うんちもされてしまったため断念。そうこうするうちに血尿が出はじめたので、こんなことしている場合ではないかもと思えてきた。おしっこを採るより、菌がほかに感染しないうちに診ていただいたほうがいいんじゃないかしら。そして、まだ5時半すぎなのに病院に電話してしまった。

 携帯に転送され、留守電になっていたのでとりあえずメッセージを入れて待つ。しばらくすると先生から電話があった。

 わたしのあせる気持ちとは裏腹に、先生はとても落ち着いたご様子。なんとかして尿を採ってから連れてきてくださいとのこと。
「なんだか先生、冷たいじゃん〜」
ちらっとそう思ったが、にょらも少し落ち着いてきたので様子を見ることにした。そして考えているうちに、膀胱炎ぐらいで騒ぐこともなかったんだ、朝早くから電話して申し訳なかったなあという気になってきた。

 少量ではあるがなんとかおしっこも採れ、病院があくのを待ってにょらを連れていった。検査の結果はやはり膀胱炎。塗沫染色した細胞の顕微鏡写真をモニターで見せていただいた。白血球が菌を食べようとしているところもあっておもしろい。

 ふつうは抗生物質での治療だが、薬の種類によっては効きにくい場合があるので、治療をより確実にするためには感受性試験というものが必要らしい。尿の中にいる菌を培養し、そこにいろいろな種類の抗生剤を投与して、どれが菌を殺すかを調べる検査だ。ここで検査費用をけちって慢性化するといけないので、検査をお願いすることにした。結果が出るまで1週間ほどかかるので、とりあえずの抗生物質をいただいて帰った。

 猫が頻繁にトイレに通うときは、膀胱炎や結石症が考えられる。オス猫の場合は尿道が長いため結石が尿道に詰まりやすく、おしっこがまったく出なくなって尿毒症を起こすこともあり危険だが、尿道が短いメス猫は結石が詰まりにくいし、細菌感染による膀胱炎の場合でも、おしっこが出ていないように見えても実際は少しずつ出ているので、一刻を争うほどでもないらしい。あわてて時間外に病院にかけこんで応急処置をするよりは、病院のあいている時間にきちんと検査したほうがいいとのことだった。いやぁ、1年前ににょらの膀胱炎を経験してはいるものの、血尿が出てあわててしまっておはずかしい。あんな時間にお電話して(それに、冷たいなんて思って)、ほんとにすみません。



2003年04月14日(月)
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