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■ 作戦負け
ここ1週間ほど、にょらは毎日洗濯ネットに入る練習をさせられていた。きょうの血液検査に備えてのことだ。
前回の検査では大暴れして先生やスタッフのみなさんにご迷惑をかけてしまったため、わたしなりに作戦を練ったのだ。猫は袋に入るのが好きなので、地震などで避難するときは洗濯ネットに入れるとよいというのを聞いたことがある。そこでうちにある洗濯ネットにためしににょらを入れてみた。ファスナーを閉めるのにわたしがしっぽを押し込んだため文句はいわれたが、そのあとはおとなしくなり、そのままくつろいでしまった。よし、これは使える。そして100円ショップで適当な大きさのものを買ってきた。
きょう病院へ連れて行くのに、あらかじめネットに入れておいたほうがいいかなとも思ったが、いつも最初に診察があるので、向こうで入れることにした。大丈夫、入れかたもじょうずになったし。しかしいくら家ではネットの中でくつろいでも、家と病院とではわけが違う。そこだけ気がかりだった。
病院へ行く準備を整え、あとはにょらをキャリーに入れるだけになったとき、わたしがキャリーに近づいただけで逃げられた。「キャリー=病院」というのをしっかり覚えてしまったらしい。にょらでも学習するのだ。取り押さえて抱き上げると、ものすごい唸り声で抵抗する。やばい。家でこの調子なら、病院ではどれだけ暴れるだろう。
気が重い。しかしキャリーの中で大騒ぎのにょらを車に乗せ、病院へ。
診察室に入ると、院長先生のほかに先生がもうひとりと助手の人がひとり。おお、人数で勝負か。心強いぞ。
にょらをキャリーから出すと、有無をいわさずエリザベスカラーとバスタオルを巻かれた。まず診察だと思っていたので、これには不意をつかれた。 「あの、洗濯ネットを……」というわたしの言葉もかき消され、にょらの手にはすでに注射針が。何が起こったかわからないにょらはなすがままだ。途中唸り声をあげ、ぴくっと動くことはあったが、暴れるヒマはなかったらしい。
こうしてわたしの《洗濯ネット作戦》は、先生の《不意打ち作戦》にあっけなく敗れた。
検査の結果は、クレアチニンという腎臓の数値が少し高くなっていた。ちょっとショック。まだ治療が必要というわけではないが、異常があったときにすぐ対応できるように、検査をこまめにしましょうといわれる。
とにかく検査が無事すんでよかった。でもきょうの作戦はいつまで通用するだろうか。これについては学習しないでもらいたい。
2003年02月21日(金)
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