ジョージ北峰の日記
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2005年07月10日(日) |
オーロラの伝説ー続き |
V ところで私事について、本当はあまり話したくない事も沢山ありますが、しかし全く風変わりなラムダ国の文化を知っていただくためには、少し大袈裟かも知れませんが文化人類学的な観点からも、正直にすべてをお話するのがやはり筋と言うものでしょう。
性の儀式もたけなわに近づく頃、漸く(ようやく)私も目隠しされ、猿ぐつわを噛まされました。普通なら、このような屈辱的な扱いは許せないと抵抗する人もあるでしょう。しかし、それ迄の周囲の状況から私の肉体は興奮の極致に達していましたので、目隠しされ、猿ぐつわされた段階で、むしろ次に来るべき出来事を想像し、期待に胸を膨らます体(ていた)らくでした。だが一方、はたしてこの国の女が私の肉体に興味を持ってくれるだろうか?という不安もありました。それは先程見てきた通り、相手にされないことも、やはり地獄の苦しみだったからです。 しばらく、誰も寄り付かない状態が続き、随分長い時間が経過したように思いました。その間も、周囲からは男女の交わる激しい動きや、我を忘れたような間の抜けた、脳の旧皮質を刺激する嬌声が間断なく聞こえてくるのです。 私は、もはや完全に理性をなくし、当たり所のない苛立ちに全身が震え、痙攣発作を起こすのではと思うほど、もがき始めていました。しかし手足が縛りつけられていてベッドを揺らすこと以外何も出来ません。 と、かすかな体温の気配を感じました。人が近づいてくるな、と気付く間もなく、私のいきり立っているペニスが、柔らかくて生暖かみのある人手にいきなり握り締められたのです。 「ああ!」その瞬間、私は全身に伝わる電撃的な快感に失神しそうになりました。 その時まで私は、性に対して無知で、読者の皆様には信じられないかも知れませんが、およそ男女の交わりは、嫌らしいもの、否むしろ不浄なものとして罪の意識のうちに避けてきました。だから、性の真の「喜び」については何も知らないというのが本当でした。 しかし今回ばかりは、そんな意識は何処かに吹き飛んでいました。ただ単に、ペニスが、握り締められたというだけで、こんなにも感じるのだとは夢にも思っていませんでした—本当にそれは初めての体験でした。 ただしかし、最も敏感な部分を、相手は意識してかどうかは知りませんが、少し外して握ってくるので、なかなか頂点の快感を得るまでには至りませんでした。私にはそれがとてももどかしく、早く何とかして欲しいと叫ぶのですが、猿ぐつわを噛まされていましたので、残念ながら呻くばかりで、言葉になりませんでした。 その間も、相手は握った手に力をこめたり、抜いたり、摩擦したりと、間断なく刺激を与えてくるのです。時にヌメッと舌(?)で敏感な部分が触れられたりすると、ビクッと感じるのですが、頂点に達するかと思うと、相手はしたたかに、まるで嘲る(あざける)かのように動作を止めるのです。 まさに私は、心身ともに相手に翻弄され、もがき苦しんでいました。
ー続く
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