与太郎文庫
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2006年10月18日(水) |
経営三原則 〜 わたしの経営免許論 〜 |
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20061018 学問に哲学と実学があるとすれば、経済学部は哲学、経営学部は実学 を学ぶところです。ところが、かつて下記のような発言がありました。 (わたしは研究者ではないので、うろおぼえで、詳細未詳ですが……) …… 平家物語に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とあれば、 われわれ経済学者は、これを理論的に分析しなくてはならない。 ── 京都大学経済学部50周年の記念講演より この発言は、のちに「われわれが研究しつづけてきた経済学ごときは、 実は、まるで市場経済にとって役に立たなかったのではないか」という 反省の弁となったのです。 このような学者の態度は、そもそも経済学や経営学に、学問としての 価値を認めるかどうか、という段階に来ています。これを容認すると、 現代日本の経営者たちの学歴は、ほとんどが怪しげなものに映ります。 1.理論と現実と決断 かつてアメリカでは、ハーバード大学ビジネス・スクールが、過去の 企業の事例を分析する“ケース・スタディ”に着目し、そのかたわらで パソコンの表計算が出現したため、それなりの進歩が始まったのです。 日本でも、経済に弱いとされた小泉首相が、当面の財政再建問題を、 竹中大臣(慶応大学経済学部教授)に丸投げし、理論武装させたのです。 古参議員の「学者に市場は分らない」という批判を浴びながら……。 しからば国会議員が、現実の市場経済に通じているとも思えません。 大企業の経営者であった麻生外相、中小企業の成功者である民主党の 河村議員を例外として、ほとんどシロウト同然の経歴です。 というわけで、昨年はホリエモンを担ぎだしましたが、さすがに彼の 経営手法が新らしすぎて、まさかの政界進出は実現しませんでした。 (もちろん今後とも、IT革命の理論家による経済学が待望されますが) 2.指導者の誤録 奥田 碩(トヨタ会長)いわく「最近わたしも妻も、韓国ドラマしか観 なくなった。NHKも負けずにがんばってもらいたい」(20040530) http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/06/01/20040601000019.html 日本経団連会長は“財界の総理”ともいわれる重要人物です。 北尾 吉孝(SBI-CEO)も、ホリエモンを指さして「清冽な資本市場の 流れを汚してはいけない」など、いかにも三流文学もどきです。 リコール隠しで追いつめられた、三菱自動車水島工場所長も、テレビ 取材に「これからはスリー・ダイヤの精神でやっていく」 まるで真珠湾や吉良邸討入り前夜のような、芝居がかった発言です。 稲盛 和夫(京セラ名誉会長)に至っては「神戸周辺では、源平合戦 のように(略)積み重ねられたカルマを清算するために、今度のような 阪神大震災が起きたとしか思えません」と、本気で大真面目なのです。 3.日ハムの人事管理 プロ野球の選手起用は、監督がコーチに「いま調子がいいのは誰だ?」 と聞いて「あいつが一番です、なにしろがんばってますから」といった やりとりで決定するそうですが、実態は不明です。 むかし西武ライオンズの広岡監督は、食事メニューまでカロリー計算 する“管理野球”で連勝しました。ただし、こういう手法を好まない人 は少なくないので、どの業界も根づよく精神論が残っています。 精神論は、証拠を必要としないため、とても便利なのです。 はてなQ&Aで、URLを示さない回答のように、出典不明なのです。 そこで、ことしの日ハムは、数字データの裏づけを要求したのです。 すべての選手の実績を、点数によって采配することに決めたのです。 「こいつは昨夜これだけ食べて、これだけ眠った」というデータで(?) ── 《クローズアップ現代 20061017(火)19:30-20:00 NHK》 4.データの虚実 日露戦争以後の日本軍は、軍医総監の森 鴎外でさえも、白米が脚気 の原因になることを否定しつづけたほどです。兵士の食料補給について、 数値データを黙殺して作戦命令を下したと伝えられます。 しかし、今日のようにパソコンが普及して、数値データが自由に操作 できても、先の指導者のごとき不得要領の発言が、まかり通るのです。 彼らに反論できる者は(マスコミをふくめて)居ないも同然です。 彼らは、都合のよいデータだけ採用して、結論をみちびきます。 一部のデータを織りこんだら、全体が科学的だと主張します。 これからの経営者は、医師や弁護士とともに、免許更新すべきです。 中小企業の経営者も、労働三法の基礎知識を問われるべきです。 非正規社員やフリーターに依存するかぎり、一時的なコストダウンの ために、長期的な経営基盤がゆらぐことは明らかなのです。(未完) ◆ 関連資料 http://d.hatena.ne.jp/adlib/20021018 経営免許(きっかり四年前の日記) http://okwave.jp/qa1276156.html 経営者と労働者に“共通一次試験”を課す(20050318) http://q.hatena.ne.jp/1097658786#a181879 立石 義雄《大企業病》 http://d.hatena.ne.jp/adlib/19790218 林 正典《わが経営を語る》 ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐ ↓=Non-display><↑=Non-display └┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘ http://q.hatena.ne.jp/1161168497 (20061018-1019)
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