与太郎文庫
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2005年06月05日(日) |
カメラマン 〜 男の中の男ども 〜 |
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050605 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1815813 No.1815813 質問:写真史においてプロとアマチュアの関係は? 質問者:koda7070 写真に、プロとアマチュアでどのような違いがあるのでしょうか。 05-12-02 22:54 困り度1:暇なときに回答ください 回答件数:0件 この質問に対して回答します カメラマン 〜 男の中の男ども 〜 おなじようにライカやニコンをフル装備していても、プロは売れるか どうか、アマは写るかどうか心配しているはずです。 ところが、かつてわたしの経験では、しばしば逆だったのです。 ほんとうに写しておきたい瞬間は、不意に偶然やってきます。 あるいは、いまでなく次の瞬間にこそ、写すべき瞬間があります。 その瞬間を二度経験した者だけが、プロと呼ばれるのです。 カメラマンには、動くものを追う者と、動かないものを記録する者や、 注文を待つ者と、待ちきれない者どもが存在します。 (以下、最近のテレビを観て、書きとめたメモより) アラファトが、外国の要人と雑談しているところへ、ひとりのカメラ マンが通りかかった。アラファトは、立ちあがって彼に握手をもとめた。 注文をもらって馳せつけるのがカメラマンではないのだ。 ◇ 以下、《一瞬の戦後史 20050605 NHKスペシャル》より二話。 「イデオロギーの空虚な争いが、世界中を対立の渦に、巻きこんだ」 当時、副大統領だったニクソンが、フルシチョフの胸を指差している 写真は、翌年の大統領選挙で、反共キャンペーンに利用された。 その撮影者(マルク・リブー)は、つぎのように回想している。 「わたしはロシア語もできるので、彼らの会話が、いかに下らないかも 理解できたのです」 「ニクソンは、ロシアではキャベツばかり食ってるらしいが、アメリカ 人は肉を腹いっぱい食べているんだぞ、と云ったんです」 そして、アメリカはベトナムに踏みこんでいった。(195909‥) ◇ ロバート・キャパは、スタインベックと二人でソ連を取材した。 ウクライナで農婦に出会った。 彼女は、二本指を立てて、こう云った。 「わたしは二人も夫を亡くしたんだよ」キャパはこう答えた。 「それなら、こんどはボクと結婚するかい?」 農婦の、二枚目の写真は、歯茎をみせて笑っている。(194707‥) ◆ ── 第2次大戦終結から60年間の世界の動きを記録してきたスチール 写真を通し、激動の戦後史を検証する。東西冷戦の発端となった朝鮮半 島で捕虜となった軍人や、アメリカのベトナム反戦デモで銃を突きつけ る警備隊に花をささげた少女、イランのイスラム革命で先頭に立って活 動した学生らの表情を鮮明に映し出したスチール写真からは、時代の真 実が見えてくる。そして被写体となった人々はその後、波乱に満ちた人 生を歩んだ。朝鮮戦争の捕虜は政治プロパガンダの入れ墨をされ、ベト ナム反戦デモの少女はアメリカの挫折とともに薬物やアルコールにおぼ れた。イランの革命に参加した学生たちは、今もさらなる民主化を求め て政治闘争を続けている。 ── 《NHKスペシャル 20050605(日)21:00〜22:00 NHK総合》 20050608(水)00:15〜01:15 再放送 「一瞬の戦後史」〜 スチール写真が記録した世界の60年 〜 キャパのソ連取材▽北朝鮮兵士▽スター家族・イラクの今 /浜中博久(濱中)アナウンサー >> 日曜夜、NHK総合テレビで、NHKスペシャル「一瞬の戦後史 〜スチー ル写真が記録した世界の60年〜」を見た。有名なロバート=キャパや、 昨年死去したアンリ=カルティエ=ブレッソンらが結成した写真家集団 マグナム。ここに属していたカメラマンの捉えた報道写真を中心に、戦 後60年の激動の世界を描いていこうというドキュメンタリー。 キャパの撮った解放直後の戦後のフランス。パリ解放のとき、髪を丸 刈りにされ、群衆にさらされている女性の写真がある。彼女はドイツ兵 との間に生まれた赤子を抱いているのだ。彼女は言いようがないほど悲 しい顔をしているが、対照的に周囲の群衆はみな彼女を嘲笑している。 大衆というか、群衆というものの残酷さを感じるよ。 スタインベックとともにソビエトを訪れたキャパの一連の写真も紹介 された。当時のソビエトの農村で微笑む女性や子供の写真。彼は、世界 のどこにでもいるような、屈託なく笑う気のいい中年女性を撮ることで、 鉄のカーテンの奥深くで、謎に満ちていた当時のソビエトの人々の姿を 伝えようとした。しかしその後、キャパはスタインベックともども合衆 国政府からコミュニストというレッテルを貼られることになる。 マルク・リブーの撮った、アメリカ、ペンタゴン前でのベトナム反戦 デモに、銃剣を突きつける軍隊にたいして一輪の花をささげる少女。写 真の彼女はその後、ヒッピー生活をおくり、アルコールやドラッグに浸 りきった生活をしていたという。しかし、彼女には娘が誕生し、その成 長とともに彼女自身も次第に立ちなおった。2003年のイラク戦争の折に は、「娘の将来のために」再び反戦デモに参加したという。 ほかには、イラン革命で民衆に撲殺されたパフレヴィ前国王支持の女 性の写真や、ボスニアで民兵がムスリムの中年夫婦を射殺する場面を捉 えた写真など。惨い写真だが、それは20世紀を埋め尽くしている無数の 悲劇のほんの一瞬を切り取っているにすぎない。 「真実を伝えるためには、被写体にもっと近づかなければならない」と いうのは、番組の冒頭でも紹介されたキャパの言葉だ。彼の残した写真 そのものが、彼の信条を物語っている。戦場で命を落とした彼は、やは り真実に近づきすぎたのだろうか。 被写体から遠ざかるほど、マクロな視点で全景を見ることができるか もしれない。しかし、カメラマンもまた一人の人間であり、神の視点を 持っているわけではない。 すでに我々は、湾岸戦争の映像によって、空から見た戦争が、ひどく ゲームじみて見えることを知っている。さらに高空から見れば、無数の 戦争が起こっていることさえまったくわからない美しく青い惑星が見え てくることだろう。しかし俺たち人間は血と肉でできた破れやすい袋。 それがその惑星の薄っぺらい地表に這いつくばって、なんとか生きてい る。 奇しくも同日、衛星第2放送で放送された「迷宮美術館」のなかで、 ピカソの「ゲルニカ」の製作過程が紹介され、こちらも興味深く見たけ れど、「画家は目だけをもっているのではない」というピカソの言葉は 特に印象に残った。報道カメラマンとて、現実をフレームの中に切り取 るのはあくまでカメラマンの心眼。 そういえば「ゲルニカ」も、キャパを一躍勇名にした「崩れ落ちる兵 士」も、同じスペイン内戦を扱ったものだったね。 「一瞬の戦後史 〜スチール写真が記録した世界の60年〜」は、火曜の 深夜、正確には6月8日水曜日の午前0時15分から再放送される。深夜だ が、できるかぎり多くの人に見てほしいと思う。 Posted by Rough Tone on 2005.06.06 at 02:08 AM in 映 http://roughtone.air-nifty.com/passing_strangers/cat493895/ ── 《永遠の一瞬 20050606 Passing Strangers〜Rough Tone〜》 << (20050608-20051202) https://twitter.com/awalibrary/status/1288388707486031873 https://tx696ditjpdl.blog.fc2.com/blog-entry-3029.html 濱中 博久 アナウンサー 19520930 京都 /NHK シニアスタッフ
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