与太郎文庫
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1999年03月31日(水) |
歯本論 〜 歯は三十二 〜 |
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19990331 徹子の部屋。三国連太郎は「善魔」「異母兄弟」につづいて、初めて の老け役シーンを演じるにあたって、麻酔なしで総抜歯したという。 本人はともかく、歯医者も、映画監督・関係者の誰ひとり制しなかっ たのはなぜか。現在七十六歳、彼がもとの歯を保持していたとすれば、 別の人生を送ったのだろうか。 作曲家の団伊玖麿も、留学先のロンドンで歯槽膿漏のためにブッ倒れ て救急入院して、すべての歯を抜かれてしまったという(随筆集・パイ プのけむり)。 ふたりに共通するものは何か? 人が、歯医者を必要とするのは何故 か。あるいは、歯医者は必要だが、歯は不必要ではないのか? (Day'19990331) 歯本論 〜 歯は三十二 〜 ひとり30本(親不知をふくめると、最大32本)として、それぞれ 3万円かかるなら、生涯に100万円である。 人口一億人に対して、歯科医十万人ならば、ひとりの歯科医師は生涯 千人の患者を担当する。その売上高は十億円で、三分の一が医師の所得 となる(平均的な生涯賃金の二倍から三倍とみる)。国民皆保険制度だ から、残りは器材・薬品および厚生省役人の給与に二分される。 つぎに、歯科医師の労働期間と患者の治療期間は、ともに三十歳から 六十歳までの三十年間である。 30年間に1000人の患者を看るには、毎年3.3人。一人あたりは 約三ヵ月かかる。 治療段階を、つぎの三期(最大5期)に分ける。 第1期 乳歯〜永久歯 1万円 第2期 抜歯 1万円 第3期 義歯 1万円 第4期 無歯 0万円 なるべく検査を反復・分割して、抜歯をおくらせる。 義歯は、2段階に分けて作ること、すなわち、ぐずぐずと完治せずに、 たえず患者に不快をもたらすことが肝要である。 治療期間中は、つとめて威厳をたもつこと。なぜなら、患者が不快感 にたえかねて、治療方針に疑問をもったとしても、これを黙らせるよう な態度をこころがけ、決して失敗を認めないことである。 (Day'19990418-0421)
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