与太郎文庫
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1965年07月20日(火)  立読み 〜 買いそびれた本 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19650720
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
 
 Ex libris Awa Library;Caldwell
 
── Erskine Caldwell 1903年,ジョージア州力ウィータ郡のホワイ
ト・オークに,長老派教会の牧師を父として生まれ,アースキン大学,
パージニア大学,ペンシルベニア大学などに学び,約1年間アトランタ
・ジヤーナル紙の記者として働いた。この間,幼少時から新聞売子,綿
摘み,石工,雑貨屋の店員,芝居の舞台方,セミ・プロのフットポール
選手,書評家,古本屋などの仕事に従事した。
 1929年,<アメリカン・キャラバン>に短編を採録されたのを皮きり
に,その後着々とアメリカの代表的現代作家として地歩を固め,今日に
いたつている。
 すでに邦訳のある「タバコ・ロード」「神の小さな土地」「巡回牧師」
など一連の南部小説,同じく二ュ−イングランドを舞台とする連作の長
編により,さらにはほんど無数の短編により,戦後わが国でも多くの読
者を得ている。(見返)
 
── 20年代、30年代にアメリカ文学はめざましく多様な活力と感性を
放射したが コールドウェルは代表選手の一人であった。
 この本は 彼の作家修行の自伝でもあり 履歴書でもあり しばしば
会計報告でもある。
 はじけるような精力を淡々と語り さりげないユーモアが漂っていて 
思わず微笑させられる。
 広い肩と長い足で 彼はアメリカ大陸を放浪し 働らくこと見ること
書くことに生涯を惜しむことなく浪費した。
 名声を得てからも安住することなかった。
 自由で無償な漂流を彼は渇望し たえず人と生に対する感情を餓えさ
せておく工夫をこらした。
 深い単純さと卒直さで 彼はこの内面の苦悩を伝えている。
   開高 健
 
>>
 
 原著者の序
 
 本書の目的は、一作家である私の経験から、あらゆる作家がそのなか
に存在していると考えられている<不思議の国>のビジョンをさがし求
めている、好奇な読者や作家の卵たちに興味がありそうなことがらをと
り出して提供することである"
 私の人生に起こったあらゆる出来事を詳細に書き記すことは私の本意
とするところではなく、私の著作に役だち、また私の作品のなかに反映
されてきたかもしれない経験を、いくらか話してみたいのである。ここ
に見出されるものは、個人の履歴というよりはむしろ、作家になるとは
どういうことかということについての形式ばらない回想記である。
 なかには無意識に省略され、あるいは意識的に省いたことがらもある。
たとえば、私が第一次大戦中テネシー州のミリントン空港でYMCAの
やとわれ運転手をしていたことや、一九二〇年代にアラバマ州で綿摘み
をしていたこと、あるいは一九四二年にアリゾナ州の上空で雷に打たれ
た飛行機に乗り合わしていたこととか、一九四九年にモナコのカジノで
ルーレット遊びをしで二万七〇〇〇フランもうげた経験などをならべた
てても、益もないだろう。
 この本はメモや記憶をもとにして書かれたもので、事件や会話をでき
るだげそのままに再現するのが私の目的であった。どなたでも、どんな
間違いでも見つげたら教えてほしい。私はよろこんで再版以後の版にお
いて訂正を加えたい。
 
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 目次………………………………………………………………………  4
 
 原著者の序………………………………………………………………  3
 
第1部 放浪と修行の時代………………………………………………  7
 
  1 小説家になる? 8
  2 綿実油工場と週刊新聞社で 10
  3 タイプライターひとつで 15
  4 見ること 20
  5 牢獄と父と 23
  6 書くこと 29
  7 記者修行 33
  8 書評家として 38
  9 小説家になる決意 43
 10 マウント・バーノンの冬 47
 11 無名作家と編集者 52
 12 奇妙な古本屋 56
 13 ある銀行家と 61
 14 最初の発表と奔走 67
 15 書く、送る、送る 72
 
第2部 努カと登攀の時代……………………………………………… 77
 
  1 作家丸出航 78
  2 最初の短編小説集 83
  3 旅と眠気どひとり 87
  4 タイプライターとホテル 92
  5 長篇小説への歩み 98
  6 作家と批評家 104
  7 貧しさと惑いのなかで 107
  8 ある女の失腺 110
  9 転回点 115
 10 一日を戸外と部屋で──「神の小きな土地」122
 11 職業作家としての自信 127
 12 ある大作家のことなど 131
 13 シナリオライターとして 134
 14 「タバコ・ロードLの劇化 142
 15 小説にもどる 146
 16 初めての共同執筆 149
 17 ジヤーナリズムへの愛着 153
 18 二人の女性の間で 157
 
第3部 活躍と成熟の時代……………………………………………… 161
 
  1 最初の仏訳のことなど 162
  2 「巡回牧師」上演の失敗 165
  3 チェコスロバキア紀行 169
  4 作家と出版社 172
  5 「アメリカ風土記」と水ぼうそう 177
  6 執筆と旅行 181
  7 モスクワにて 186
  8 戦時の通信員として 192
  9 仕事、仕事、仕事……… 196
 10 休養をもとめて 200
 11 ペーパーバックスの時代 205
 
エピローグ 作家を志す人に…………………………………………… 209
 
  1 小説家修行 210
  2 いかに書くか 211
 
訳者あとがき……………………………………………………………… 222
 

 
 読む人と書く人
 
>>
 
問 あなたは仕事をしている間、ずっと実際に書ぎつづけていますか? 
答 いいえ。しかし、いずれにしろ、私はタイプライタ一に向かいます。
それでも、一日が終わるまでに、ただの一行も書かないということもま
まあります。
 
問 あなたは書き直しをしますか? それとも、はじめに考えて書ぎお
ろしたままですか? 
答 私のクズかごは、一日の終りにはいつもいっぱいになります。私は
一〇回でも一二回でも書ぎ直しをします。
 
問 あなたが、自分の作品のいちばん重要な要素と考えているものはな
んですか? 
答 でぎるだげ短い単語を使うこと。辞書をみなげればわからないよう
な単語は使わないこと。いつか私は、四音綴以上の単語は全部消して、
自分専用の辞書をつくったことがあります。
 
問 ものを書くことを学ぶのにもっとも重要な階梯は何だとお思いです
か? 
答 まず、単語の意味と用法を学ぶことです。第二に、のべたいと思う
思想を伝える文章の構成法を学ぶこと。第三に、物語を書きはじめる前
に、なにか書くに価するものをもつこと。第四に、読者の心に長つづぎ
のする感銘を植えつけるために、物語の感動的な力の使い方を学ぶこと
です。
 
問 若い作家にどんな忠告をしたいと思いますか? 
答 どんな分野でも成功者たらんと欲する人ならだれでも修行する程度
まで、書くことを稽古する心構えをしなさい。医者、弁護士、銀行家、
理髪師、機械工、技師、印刷工など、すべて経験によって技能を身につ
けなげればなりません。作家だけが例外だと考えるのは、おかしな考え
方です。
 
問 あなたはどんな本を読みますか? 
答 私はほとんど本を読みません。おそらく一年に六冊くらいでしょう。
ずっと昔、私は人を二つの部類に分けました──読む人と書く人と。私
は書くほうの部類にはいりたいと思いました。
 
問 もう一度生まれかわるとしたら、やはり作家としての人生を歩みは
じめますか? 
答 かならずそうするでしょう。ほかのことをやったのでは、生計がた
てられるかどうか疑問に思います。
…… エピローグ/作家を志す人に/ 2 いかに書くか(P220-221)
 
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── 「本を読む人と書く人がいる。私は書くほうだ」(出典未詳)
 Caldwell, Erskine 19031217 America 19870411 83 /〜《Tobacco Road,1941》
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3358924.html (No.3)作家になる作法
 
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5810665.html (No.3)
 
── 読む人と書く人がいて、コールドウェルは書く方を選んだ。
http://q.hatena.ne.jp/1126175035#a399433
 時よ止まれ 〜 若き友への9ヶ条 〜
 
── 「本を読む人と書く人がいる。私は書くほうだ」
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B000JABZ7I
── コールドウェル/田中 融二・訳《作家となる法 19650720 至誠堂新書》
 
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5815376.html (No.1)
 5.書を捨てて、作家になろう。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20100401 (未完)
 読むべきか、書くべきか? 〜 わたしの「わたく史学」目次 〜
 
── その彼の前妻こそが、不世出の女流報道写真家なのです。
http://q.hatena.ne.jp/1105680666#c45393 女性であることを否定した筆名
 バーク=ホワイト 〜 丙午の女たち(1906以前)
 

 Caldwell, Erskine  19031217 America    19870411 83 /〜《Tobacco Road》
♀Bourk-White     19060614 America    19710827 65 /籍=Bourk,Margaret
 Eisenstaedt, Alfred 18981206 Poland America 19950823 101 /1901-96没年逆算

 
 ※
 
 さらば、書籍(草稿)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030929
 さらば、シリーズ
 
 おそらく邦訳初版(1965)の頃、書店で手にとって数ページ立読みし
ただけで、買わずに書棚に戻したのであろう。その後「私は書くほうだ」
というフレーズを思いだしたが、書名を忘れてしまった。
 
 インターネットで、しばしば引用したが、検索しても出典不明のまま
だった。このほど「ブクログ」で、みたび蔵書目録に取りくむうちに、
ようやく入手できた。絶版なので、ここに抄録しておく。
 
(20100413)
 


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