与太郎文庫
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1963年11月22日(金) |
Age of genius's proper 〜 処女作の適齢期 〜 |
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19631122 ── 「そうらできた!」と彼は、勝ち誇ったように言った。そして、 立ち上がって、自分のかいた図形を見た。「さあ、説明するよ。」 彼は、ピタゴラスの定理を説明しはじめた──ユークリッド的方法で はなく、恐らく、ピタゴラス自身が用いたと思われる、もっと簡単で、 得心のゆく方法で。即ち、彼は先ず、正方形をかき、それを、直角に交 わる二つの垂直線によって、二つの正方形と二つの等しい矩形に分けた。 それから、二つの矩形をそれぞれの対角線によって、四つの等しい直角 三角形に分けた。すると、二つの正方形は、これらの三角形の斜辺以外 の二つの辺の上の正方形のように見える。第一図(注1)の方はこれで 終りである。第二図(注2)では、矩形を分割して出来上がった四つの 直角三角形の直角が、もとの正方形の四つの隅にかさなるようにならべ 変えた。すると、斜辺は内側をむき、他の大小二辺は、正方形の各辺の うえに連続することになる。(正方形の一辺はその大小二辺の和に等し い。)こういう風にして。もとの正方形は、四つの直角三角形と斜面の 上の正方形に再び分割される。この四つの三角形は、第一図の二つの矩 形に等しい。故に、斜面の上の正方形は、もとの正方形を二つの矩形と 二つの正方形に分割した時の二つの正方形(即ち、大小二辺の上の正方 形)の和に等しい。 ── Haxley,Aldous《Young Archimedes〜Little Mexican,1924》 ── 瀬尾 裕・訳《天才児/世界短編文学全集 19630520 集英社》01-P369,379 Huxley,Aldous Leonard 作家 18940726 England 19631122 67 / Thomas Henryの孫〜《ガザに盲いて》誤=Haxley 69 ── 二八歳にして哲人とならねばならぬ(ベートーヴェン)。 ── 《故事名言・由来・ことわざ総解説 19770910 自由国民社》P200 二十七歳と四ヵ月の半ば(厳密には満二十八歳になる前の227日) に、人は一万日を迎える。 われわれの同世代に(たとえば野球の王選手のような)芸術的天才は いるのだろうか。当時の友人たちに質してみると、諸説あってとりとめ がない。現代はその環境に適しておらず、もっと年とってから出現する はずだ、などという者もいた。しかし当時すでに、ビートルズの四人と ともに、サイモン&ガーファンクルまでが、活動をはじめていたのだ。 ◇ 英米独・日本の作家の処女作、またはデビュ作の年齢をもとめる抜書。 《世界短編文学全集 1963 集英社》全17巻から抽出したもので、のちの 《 BirthDays 366 》《生没総譜》にいたる最初期の構想メモにあたる。 当時未完のカナタイプ草稿《カイカノレキシ 1967ca》を Excel で補修、 人名表記・邦題・生没年月日は《西洋人名辞典 19840620 岩波書店》に 準拠。(転載準備中) 二十七歳と四ヶ月で、満一万日目となる着想は《AT,1965 》参照。 http://d.hatena.ne.jp/adlib/19660128 《AT 19660128 edited by Awa Library 》 クレッチマー《天才の心理学》に引用されるメヴィウス説(女性には 作曲の天才がいない)や、《一聴一席》のマーティン説(英国に作曲家 がすくない)など、興味がつきない。 当時は読んでいなかったハクスレー《天才児》の正方形論は、注解図 だけが記憶されたとみえ、未刊の同人誌《Thirty Visual Creators,1972》 の表紙から十五年間にわたり反復活用、一時はテレビ画面に盗用頻出。 ── 《虚々日々 20001224 Awa Library》P94-95,231 作成日: 2007/01/10
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