与太郎文庫
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1962年03月06日(火)  東京日記 〜 最後の五百円札 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19620306
 
 タクシーを喫茶ビクトリアへ乗りつけ「釣りはいいよ」と五百円札を
払う。最後のなけなしだが、大金を集金するアテがあったからだ。
 
 めでたく集金して「ここは私が」とコーヒー代を支払うことにしたが、
さしもの高級喫茶店も、一万円の釣銭は用意していなかった。
 ようやく数分のちに、どこからか掻きあつめてきたのである。
 


 たばこ(ピース)            ◇  40   540
 TEL(映宣社・ビクトリア)      ◇ 40   500
 TX(市ヶ谷→銀座ビクトリア)     ◇  500  0
 映宣社              150000◇       
 コーヒー(新橋ビクトリア)       ◇  80 149920

 
 この話は、活気あふれる当時の世相を伝えている。
 タクシーの運転手も笑顔で受けとったし、喫茶店の女性たちも、迷惑
そうでなく「まぁ、羽振りのいい方ね」と祝福の表情だったのだ。
 
 銀座・新橋は、新橋よりの「喫茶・ヴィクトリア銀座店」とみられる。
 コーヒーが高いのではなく、背の高いウエイトレスを揃えているのが、
当時なによりの高級感だった。
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19620301
 東京日記
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19620321
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20040926
 五百円札の客 〜 円満院門跡・第56世 〜
 
(20070906)
 


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