与太郎文庫
DiaryINDEXpastwill


1949年05月23日(月)  シケモク 〜 ニヒリズムの小道具 〜

 
 Ex libris Web Library;上原 謙
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19490523
 
── 吉村 廉・監督《美貌の顔役 19490523 大映》上原 謙・主演
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19951228
 《映画100年表》解題
 
 上原 謙(清亮)俳優 19091107 東京 19911123 82 /〜《愛染かつら》加山 雄三の父
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19510402 岩倉家の人々 〜 五百円札の末裔 〜
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BE%E5%B8%B6+%B8%AC
 
 たった今、人を殺めた美男が、屋台の客になりすます。コップに酒を
注がれるまでの束の間に、ポケットから“シケモク”を取りだす。
 ロンソンらしきライターで点火するも、手が震えて二三度しくじる。
 
 美男と高級喫煙具と“シケモク”の三点セットが、当時の世相を象徴
していて、子供ごころにも通じる通俗性があった。はたちを過ぎてから、
屋台でコップ酒を呑むたびに思いだすほどの名場面である。
 
 “洋モク”は外国タバコ、“シケモク”は湿った吸殻で、最後の一服
を残して揉み消し、そのままポケットに仕舞っておく。このいじましい
習性は、この映画から15年後(1964)まで続いていた。
 
 かの滋賀銀行の集金員は、毎朝やってきて、前日の売上げを預かって、
しばし世間話をして立ち去るのが日課だった。いくらなんでも、メモも
署名もなしに現金を受渡しするのは不味い、と別に記帳することにした。
 
 当時は郵便局も銀行も、すべて手書きの預金通帳で、軽々に持ち歩く
ものではなかった。小商売といえども、日々の売上げは銀行員の月給に
相当するので、それなりの信頼関係が存在したのである。
 
 そうはいうものの、くたびれた中年男が、一本のタバコを三等分して、
それぞれ三回に吸いわけ、そのつど銀紙に包んで紙箱に戻す姿は侘しい。
 堅気の銀行員なればこそ、内心ひそかに思いあがっていた気配もある。
 
 父の店を任されるまでの短期間だったが、はたして大事件が起った。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19661108
 コロナの女 〜 滋賀銀行9億円横領事件 〜
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20020226
 さらば、ニコチン 〜 私の二・二六事件 〜
http://q.hatena.ne.jp/1465837180#a1257342(No.3 20160614 23:39:05)
 

https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/(Ctrl+F)
http://awalibrary.blog.so-net.ne.jp/
 |
http://twitter.com/awalibrary(ツイッター)
http://twilog.org/awalibrary(ツイログ)
http://booklog.jp/users/awalibrary(ブクログ)
 |
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html(与太郎文庫)
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19490523

 
(20160616)
 
┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
↓=Non-display><↑=Non-display
└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘


与太郎 |MAILHomePage

My追加