与太郎文庫
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http://d.hatena.ne.jp/adlib/19480509 日食とくしゅう
このきろくは阿波之男くんのかんさつした もので、だいたい正しいえもかけているし、 あたりもよくかんさつできています。
昭和二十三年五月九日 阿波 之男
一、かけはじめ、十時五十八分 二、はじめは青空でしたがだんだんうすくなって夕方のようになった。 お日さまのはたにうすい雲がたくさんとりまきました。にじのような わができました。十一時ごろから風がふきだしだんだんすずしくなり ました。日食がおわるとだんだんあつくなってきました。 三、ちかくににわとりがいなかったのでどうぶつはものほしにねこが朝 からねていたが十二時ごろにはおきて家の中へにげていったほかあま りかんさつできなかった。 四、木のかげはだんだんぼやけていって小さなつめのような光ったかげ がたくさんできました。 ── 新洞小学校 三年ろ組《日食観測図 19480524 三ろ新聞》 ──────────────────────────────── 父・正之のアイデアで、二つの茶碗をコンパス代りに用いた。 ── 礼文島でだけ金環蝕が見られるということで、国をあげての大さ わぎになった/この日は日曜日だったが、みんな校庭に集まって、ロー ソクのススで黒くしたガラスで皆既日食の観測をした。ガラスのススが 鼻の頭についたりして、大さわぎになった。 ── 《わが世代・昭和13年生まれ 19780928 河出書房新社》P082
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