与太郎文庫
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1932年05月12日(木) |
坂田山心中 〜 天国に結ぶ恋 〜 |
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19320512 この年の後半(坂田山ブームにより)20組の追従心中がつづく。 ── もし私が明六日になつても帰らなかつたらこの世のものでないと 思つてください、かずかずの御恩の万分の一もお返し出来なかつた自分 を残念に思つてゐます、御相談申し上げなかつたのは八重子さんにわた くしを卑怯者と思はれたくなかつたからです、そしてお父様にこの上御 心配をかけたくなかつたから姉さんに約束した赤ちやんの写真も撮らず に終ひました。 梶原さんに頼まれた複写の原画は暗室の棚の下の段の右側に封筒に入 れてあります。写真器は押し入れの中に乾板が六枚入つてゐるから自分 でやつて下さるようにハレーション止めしてある乾板ですから、幸子を 可愛がつてやつて下さい、本当の兄妹がもう宅に居らなくなつてしまふ から、湯山さんのお宅の方が見えたら八重子さんから戴いた手紙は全部 纏めてありますから見せるなり差しあげるなりしていただきたいもので す。八重子さんにいただいたものも全て纏めて集めてあります。 スエーターはお母さんが在り場所を知つていらつしやるでせう、小さ な押入れの三つの箱がさうです、写真はアルバムに貼つてあるのと、ア グフアのクロモイゾールの箱に入れてあるので全部です、一緒のバンド で結へてあるのは皆さうです、先月の十七日以来心掛けて全部片付けて 置きました、もう思残すことはありません。 生みの母、懐かしいお母さんのお墓にお詣りして来ました、直ぐ傍に ゐることが出来ませう。では皆さんさようなら。明日は早く起きなくつ ちやなりません。 七年五月五日夜更け 五郎 http://www004.upp.so-net.ne.jp/kuhiwo/dazai/sakatayama.html ── 調所(ずしょ)男爵の息子・五郎と素封家の三女の遺書(19320505) http://www.geocities.jp/showahistory/history01/07f.html ♪今宵名残りの三日月も、消えて寂しき相模灘
調所 広郷 薩摩藩家老 17760324 江戸 18490113 73 /服毒自殺?/五郎の曾祖父 (ずしょ・ひろさと) (安永 5.0205〜 嘉永 1.1219 /別名=清八、友治、笑悦、笑左衛門 旧姓=川崎主右衛門基明(兼高)の子。島津斉彬により家禄と屋敷を召上げ、家格を下げられた。 ──────────────────────────────── 調所 広丈 元老院議官 18...... 鹿児島 東京 1911.... ? /五郎の祖父/広郷の末子(三男) /19000509男爵/高知・鳥取各県知事 ──────────────────────────────── 調所 □□ 男爵 18...... 東京 19...... ? /五郎の父 ♀調所 □□ 五郎の亡母 18...... .... 東京 19...... ? / ♀調所 □□ 五郎の継母 18...... .... 東京 19...... ? / ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 調所 五郎 慶応大学生 1908‥‥ 東京 神奈川 19320508 24 /服毒心中0509遺体発見、 ♀湯山 八重子 富豪令嬢 1911‥‥ 静岡 神奈川 19320508 21 /服毒心中0519遺体盗難事件解決 ──────────────────────────────── ♀湯山 □□ 八重子の姉 190.‥‥ 静岡 千葉 19270728 2. /軍人の妻/騎兵中尉に逆恨刺殺 橋本 長吉 火葬人夫頭 1867‥‥ 神奈川 19...... ? /0519(65)逮捕0608公判で否認
── 猟奇的な興味も手伝って、話題はさらに波紋をひろげていった。 しかし検死の結果はノン。『死体は完全な処女であった』と発表された。 では何の目的で? 誰が? 捜査を担当した大磯署は、十日後になって、橋本長吉という六十五歳 の火葬人夫をつかまえた」(略) 「東京日々新聞では『天国に結ぶ恋──坂田山心中』と名づけて、心中 の二人が、純潔のままで死んでいったというイメージづくりの演出に一 役買ったこともあって、松竹蒲田では、さっそくこの心中ばなしを映画 化した」 ── 《坂田山心中(天国と地獄)》 ── 《坂田山心中 19320513 東京日日新聞》 http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/tenngokunimusubukoi.htm ── 西条 八十(柳 水巴)・詞/林 純平(松平信博)・曲 《天国に結ぶ恋 〜 悲恋大磯哀歌 〜 1932》徳山 たまき&四屋 文子・唱 http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070327 ── 五所 平之助・監督《天国に結ぶ恋 〜 19320610 松竹蒲田》川崎 弘子 (誤=吉村 操・監督《大磯心中 〜 天国に結ぶ恋 〜 19320610 河合映画》琴 糸路) ── 石井 輝男・監督《天城心中 〜 天国に結ぶ恋 〜 19580126 新東宝》 ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐ ↓=Non-display><↑=Non-display | └┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘ 季節的な記憶の例。 このところ、日付の記憶には、季節的な符号があるのではないか、と 思われる経験があいつぐ。 きっかり75年ぶりに、つぎの偶然により、この事件を思いだした。 旧友・有賀誠一からの電話で、おなじく旧友・吉田 肇 の書簡を引用 したことを思いだし、植木 等 の訃報(20070327)を、Web日記から 検索したところ、川崎弘子の命日が未入力であることを発見した。 もうひとつの《与太郎日記》では訂正済みなので、こういう不整合が 生じたのは、先月末のリカバリが原因である。 そこで、面倒な照合作業をしているうちに、映画のデータ・ベースが (2行にわたって)重複していることも発見した。 あらためて再検索するうちに、坂田山心中の男爵家の系図が、すこし 判明したので、追記しておく。こうして更新の日付を見ると、事件から 75年目にあたっていた(心中の日付は数日前らしい)。 (20070512)
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