与太郎文庫
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1924年10月12日(日)  未熟な習作 〜 ヌルテ・シンフォニー 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19241012
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
 
 Ex libris Web Library;null
http://etc.usf.edu/clipart/41700/41726/fc_nullset_41726.htm
 Flashcard of a math symbol for Null Set
 
── ブルックナー 99《交響曲第0番 ニ短調 19240517-1012 初演》
 
 ヨーゼフ・アントン・ブルックナー
 JOSEF ANTONN BRUCKNER(1824-1896)
 SYMPHONIE NR.O D-MOL(1863-64)
 
 四〇歳! 十一曲もの交響曲を遺したブルックナーが第0番(ヌルテ)
を書いた時には何と四〇歳に達していた。第0番。奇妙な番号である。
前代未聞のジョーク。このジョークを敢えて大真面目でとばしたブルッ
クナーである。未熟な習作という含みがあったのだ。習作としては、こ
の前の年に書かれたへ短調のがもう一曲ある。これはスコアもレコード
もないので知る術はないが、幸にして第0番の方はどちらもある。レコ
ードは線の細いハイティンク/コンセルトヘボウOと朝比奈/大阪poの
最弱音欠除型の全く対照的な二種だげ。この貴重な録音で聴くと、習作
とはいえ、始まったとたんにブルックナーの顔がちらつくほど、はっき
りと個性が表われている。冒頭動機はヤッコラサノヤッコラサと聞こえ
る。このヤッコラサ動機を執拗に展開しているのがいかにもブルックナ
ーの面目躍如。第三楽章のスケルツォにもブルックナーの典型が認めら
れる。独得のスケルツォの語りロがすべて表われているのだ。
 第二、第四楽章は奇数楽章と比べるといささか劣る。後年、この曲の
原稿が出てくるまで忘れていたほど作曲者の意識になかったというのは、
このあたりが弱いことを充分承知していたからだろう。幼稚さの残
るアンダンテよりは、しかし、終楽章の方が大分増しだ。アンダンテに
は、後年のブルックナーの壮大なアダージョを予感させるものは何一つ
ないが、終楽章には前兆がある。テンポの変動である。この意味では完
成度の高い第二などよりよほど典型的にブルックナーなのだ。しかし主
題が面白くないのでもどうしようもない。だから誰がやっても大同小
異。ハイティンクので充分わかる。こういう曲は、朝比奈のような専門
家は別として大家は大抵とりあげたがらない。若き日のハイティンクの
勇気と努力に拍手を……。
 四〇歳のブルックナーは、どうやらその後数年がかりでこの曲をいじ
くりまわしていたらしい。六八年、第一番初演の翌年には0番を改訂し
ている。既にして改訂癖のはじまりである。後年、ブルックナーの演奏
ですべての指揮者を悩ませる大問題がこの悪い癖だ。自分であれこれ考
えて加筆するのならよいのだが、指揮者とか、友人とか、弟子にまであ
れこれいわれると、早速いじり始めるのだった。また、これほど批評家
を恐れた人もいない。というのも相手が悪かった。ハンスリックであ
る。言葉の毒矢でブルックナーの素朴な心に深手を負わせた人なのだ。
(P94-95)
←朝比奈/大阪PSO:V-SJX9523(廃盤)朝比奈 隆/東京都交響楽団
 ブルックナー《交響曲第0番 20050620 フォンテック》CD
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B0009OAT1W
 
 ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ0;Ph-X8563(廃盤)
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/427635028X
── 諸井 誠《交響曲名曲名盤100 19790610-19900320 音楽之友社》
 
 諸井 誠   作曲/虔の弟 19301217 東京 /
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19770324
 繭の交流 〜 諸井家と尾高家 〜
 
── 直木賞;道尾 秀介&木内 昇、芥川賞;西村 賢太&朝吹 真理子
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20110117
 ヌルテ・スポット 〜 知らぬ、読まぬ、買わぬ 〜
 
── 存在すれど実在せず 〜 esse vs exsistere 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19391127
── 吉田 洋一《零の発見 19391127 岩波新書》
 
── 文字 0 によって表されるものは、何もないことに対応する基数
(自然数[1])であり、1 の直前なる序数(順序数)であって、最小の
非負整数である。零(れい)、ゼロ(英語: zero)、ナル(ドイツ語:
null; ヌル)、ノート(英語: naught)、ニヒル(ラテン語: nihil)
などと読まれる。また、文字の形状から、稀にまるあるいはオーなどの
ように呼ばれることもある。なお、日本の通話表においては、0は「数
字のまる」と送られる。── Wikipedia
 
(20110118)
 


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