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| 1915年10月28日(木) | 外科の夜明け 〜 エリザベスの心臓 〜 |
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http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
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http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19151028
Ex libris Web Library；《外科の夜明け 19711215 講談社文庫》P-1
── 生きている人間の心臓を露出させる方法は、ルイス・レンによっ
て開発され、のちにザウエルブルッフと、シュマッハーによって改良さ
れた（本文四七八ページ）。
Wren, Louis 1849‥‥ Germany 19‥‥‥ ？ ／18960909 19:27 縫合手術開始
Sauerbruch, Ernst Ferdinand 18750703 Germany 19510702 75 ／1904‥‥ 減圧室内で開胸手術
Schumacher 18‥‥‥ Germany 19‥‥‥ ？ ／
── 一八九八年の九月十六日には、世界はまだ、六日前にジュネーブ
のモンブラン埠頭で起こった、オーストリアのエリザベス皇后暗殺事件
で沸き返っていた。ルイス・レンが、彼の診療室で、彼の最初の心臓縫
合の話を私にしてくれたのは、この日である。レンの心臓縫合の日から、
ちょうど二年近く経過した日に、皇后が同じ心臓の刺傷で死亡したとい
うことは、何か不気味なものすら感じさせる。私はちょうどジュネーブ
では、暗殺された皇后の剖検を委ねられた外科医のポール・リバーディン
と、話し合って来たところだった。彼は詳細に話してくれた。
暗殺に使用したやすりは、心嚢の壁を貫通して左心室に入っていた。
しかし暗殺者は直ちにやすりを抜き取った。だから皇后自身は、拳で打
たれたとしか感じなかった。彼女は、船に向かって更に百二十歩歩き船
に乗った。船が動き出して、初めて彼女は意識不明になった。そして胸
の刺傷が発見された。船は波止場に帰り、皇后はホテルに運ばれた。ゴ
レーとティセの両医師が呼ばれた時には、まだ生きていた。しかし、彼
らがなし得ることは何もなかった。間もなく第三の医師が呼ばれた。彼
も助かる見込みがないことを確認する以上、何もできなかった。彼女は
最も一般的な経路を経て死んだ。心臓から出血してそれが心嚢に流入し、
心嚢に血がたまる結果が、心臓を圧迫して死に至った。
暗殺後、皇后の命を救うのに役立ったかもしれないと思える時間が、
無為のうちに、いかに多く浪費されたかを考えると、医者が過去の惰性
に溺れることの愚かさに、かつてのいらだたしさが再びこみ上げて来た。
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4061350080
── トールワルド／塩月 正雄・訳《外科の夜明け 19711215 講談社文庫》P491-493
Thorwald, Jurgen 19151028 Solingen Lugano 20060404 90 ／誤＝トールワイド
── 《Das Jahrhundert der Chirurgen 1956‥‥ Germany》
♀Elisabeth Amalie Eugenie 18371224 Austria Geneve 18980910 60 ／暗殺
／フランツ・ヨーゼフ 1の妻／オーストリア皇后＆ハンガリー王妃
Lucheni/Luccheni, Luigi 18730422 Italy 19101019 37 ／
／ルイジ・ルッケニ（無政府主義者）刺傷事件
── 少なくとも百年前（1896年以前）まで、心臓に触った者はいなか
った。当時の辞書は「心に触れる」とだけ説明すればよかったはずだ。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060609 自動翻訳の女
（20060609）（20111130）
