ダイメイ ヲ クダサイ
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2002年11月29日(金) 今まで生きてきた中で一番濃かった夏 A

もう今は11月。
そやのにまだ夏の話かいって感じやね。
けど、私にこの夏があったから、
ほんとにいろんなものを手に入れられた。


今年の文化祭の私たちのクラスの出し物が
ドラマというか映画というかそんなものを撮影して
放送しようということになった。
文化祭は9月半ば。
7月のまんなかくらいからその為の準備が始まった。


けれど私たちは受験生だった。
夏を制するものは受験を制す。
宿題はなかったが
長い休みを利用して学校が講習などを開いていた。
始めは両立させようと頑張って講習にも出ていた。
が、だんだんとこのペースでは
作品も勉強も間に合わない、そう思えてくる。


私もその頃は関西の有名私立に入れたらいいな
なんて思っていた。
けれどほんとは出来たのだろうけど、
どうしても勉強までやってられなかった。
それで少しレベルを下げて別の志望校にした。
講習もいくつか減らした。
けれどそれでも勉強に身は入らなかった。
夢がなかったからだ。


ただ、そんな不安を持ちつつも
毎日が充実野菜だった(爆)


物語りも、シナリオも、カット割りも、編集も
全て自分達のオリジナルでやった。
エンディング曲も担任の作曲だ!
毎日、スケジュールの合う子同士を集めては
その子が出ているシーンを撮影するのだ。
気に入ったのが取れるまで何度も何度も撮った。
後になって編集してみると
たった1分30秒のシーンが出来上がるのに
いったい何時間費やしたのだろうと思える。


もちろん撮影だけやるのではない。
友達同士で集まっていて遊ばないわけがない(笑)
朝9時くらいから撮影が始まって
途中みんなが講習で撮影出来るシーンがないときや
また今日の分を全て撮り終わったら
カードゲームをやったりして遊んだし、
今日は今後のスケジュールを決める話し合いの日と、
決めていても話し合いはいつのまにか談話になる。
けれどそれが楽しかった。


まぁ、私にとって一番嬉しかったことは
あの彼と毎日会えたことかな。


一番初め、クラスで放送する作品がまだ決まっていなかったとき
みんなは「少林サッカーみたいなものをしたい」と言っていた。
するとあの彼の家にだけ少林サッカーがあるというので
2、3人でどんな話なのか見せてもらいに行こうというとなった。
なりゆきで私も彼の家に行って見せてもらったのだった。
ほんとになんてラッキーガールだったんでしょうね(笑)
(あ、もち少林サッカーなんか出来るわけないし!!!
ちょっとそれっぽい名残があるようなないような作品になったけど)


それに彼は作品作りに協力的だったから
連絡を取るためにメアドも電話番号も普通にGET出来た。
夏休みが始まってすぐ彼は合宿に1週間くらい行ってしまった。
それを利用してなんでもないメールを何通か送った。
それで合宿から帰ってきて学校で会ったときに
「メールありがとう!あっこテレビもなくて暇やってん」
なんて言ってもらえたのが
どんなに嬉しかったか(爆笑)


そうそう、その次の日だ
最初の事件は起きた。


「今から去年のクラス会行ってくるねん。」なんて行って
彼は学校を去った。
アルコールもありのクラス会だと言っていた。
彼はバイクで行ったのだろうか、とか
私は家に帰っても考えていた。


ところが。
その夜、撮影している子から電話があった。
彼が頭をぶつけて入院したらしい
という電話だった。


ええええええええええ!???


続く。


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