2007年08月22日(水) |
淡むらさきに暮れてゆけ。 |
うたを うたいたいね 道化てではなくて 機嫌とりでもなくて のどの奥から、肺臓から、 からだのすみずみから指先から声がうまれて 空気の粒子にのるような うた あの声を
ヘルペスが治らないの、と ぼやけた天井をみながら、その感触をみつける 再燃ですか、こんにちは ぐるりとリンパ腺が腫れてしまったんだ うたいたいあたしを諌めるように わらうように 縛るよに
つぶれた声で泣き笑いしたり しゃくりあげたのが、喉の出口で足踏みをして 出てこなかった、呼吸をさかさにしたみたいに まのぬけた仕草で、あたまのなかはきりきりと瓦礫
なかない練習なんてね あんまり うまくならないほうが、いいのかも 知れない…よ
あのひとのいるところへゆきたい そうしたら、この喉のつかえも消えて あたしは十年ぶんも、なける気がする
かなわない夢は かなえてならない夢
夕暮れのうみのいろで視界をぬりつぶして しずかにそこへ沈みたい。
真火
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