『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年04月18日(木) 逃避夢。


最近、あまり夢は見ないみたいです。
ちゃんと眠るときは睡眠薬なんかを飲んじゃっているからか
寝ている間の記憶はあんまり、ありません。
なんてそれも変な言い方だけど。


サトくんがいなくなってから、
或いはいなくなる前からも、バイトに出かける日と、病院に行くとき以外は
ほとんど眠ってすごしています。
とろとろとろとろ、
窓の外がいくら晴れても曇りでも地震があっても電話があっても
執拗に眠り込んで眠気を手放さないで、できるだけそのままいたい。

いちおうこれでも不眠症(?嘘でしょ(笑))で
いざ眠る段になるとお薬の助けを借りないとうまく眠りに入れないので
完全に目覚めることをしないで
眠りのシッポにしがみついていたいのかも知れないな。


そうは言ってもクビになるとあれこれ困るので
水曜日にはバイトに行きました。
もはや、完全武装でした。
そうでないと外に出られないと
かたくなな表面をつくる「武器」はあたしのお守りです。
泣きじゃくる一歩手前のあたしの中のだれかをなだめながら、
バスに乗って
電車に乗って
また、バスに乗って。

しかしぼんやりするの。
くたびれたの。
ねむいの。

目の前を英単語とドイツ語(読めません)と数字が乱舞する〜
気がついたら作業台につっぷして眠り込んでいました。

(ええい、この給料泥棒)


気分はかなりサイアクに近くて
だれも来ないところに行って
壁をけっとばして泣きました。
タイツで包まれた脚とまるっこい黒いストラップシューズのつま先を見ながら

帰りたい。
帰りたい。


かえるところなんて、ないような気がしました。


それにしてもどんなにしんどくても
仕事に入ったら気力で持ちこたえられる自信はあったのに
みごとにそれがひっくりかえされた一日……
尋常じゃないこの眠気と食欲のなさは
もしかしたら増量されたSSRIのせいですかセンセイ?
と理由をお薬に求めたくなるのは精神がなってないってものだろうか。(笑)


今から眠ったら
また明日がきます。

それがこわいと言ってあたしは眠るのをいやがります。
朝がくると心なしか絶望する。
あかるくなっていく空に。


今、ひとつの錯覚をもっています。
サトくんがあたしのかわりに行ってくれたような
そんな錯覚を。
死という知らないつめたいかもあたたかいかも判らない場所に
すくなくともあなたはわたしを連れて行ってくれません。
ちっちゃかったあたしの手を引いて教会の硬い椅子に座らせてくれたときみたいに
天国だか浄土だかよくわからないその場所にあたしを招きません。
まるでひとりぶんだけの椅子しかなかったみたい。
その椅子には先にぼくが座っちゃったから
まなほちゃんが来ても座るところはないよ、

そう言われているような錯覚をもって。
あたしは眠りに行きます。



水曜日、あたらしい武器を手に入れました。

ジェーン・マープルの
まっしろなワンピース。

洋服に(ましてお守りとしての服に)ニセモノも本物もないと思いますが
はじめて手に入れたほんもののロリータブランドの服でした。
先週ひとめで気に入ってでも値段が気になって無駄づかいもできないし
仕方なくお店を出て行ったけど、途中でどうしても脚が先に進まなくなって、
そしてなぜか泣きだした自分をみて、
鼻をぐずぐず言わせながら引き返して
買った。


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 骨埋める場所なんていらないわ
 大事にしてたドレスも写真立てもひとつ残らず焼いて
 そして灰になったこの体を両手に抱いて
 風に乗せてあの海へとかえしてください。

 (こっこ「遺書。」)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


このワンピースを灰にしないために
明日をむかえることをやめないように。

これはどこかへ行ってしまったサトくんの
おとむらいなのかも知れないと思いながら

あたしは白い武器を抱えてうちへと帰り
長くながく、眠り込みました。




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massage :

 この日記は、やや、フィクションです。

 こんな駄文でも、読んでくれる方、ありがとうございます。
 もしもなにかを感じてもらえたら
 お手紙ください。

 Sくんありがとう。春が来るね。
 Mさん、お誕生日をくれてありがとうございました。

 投票ボタンも、ぽちってね、もし押してもらえたらうれしいです。
 (全部身内のような気がしないでもないけれど……苦笑)
 このむこうに言葉にならないことがたくさん転がってるのかなぁと
 数字をみるたびに思います。

はじめて読んでくれたひとへ。
 あつかましいお願いですが
 できれば、過去ログの4月12日からの日記を
 読んでいただけたら、とてもうれしいです。
 最近の話はどうしても、前の毎日の続きになってしまっているので…。
 みてのとおり長い文章なのですが、
 時間がありましたら、どうぞおねがいします。


 また、明日がきます。

 
 上からおちてくる、一粒の雨だれさえにも気をつけて、

 お元気で。

 おだいじに。



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