たまに驚かれるが、昔から、何故か他人の誕生日をよく覚えている方である。
小学校に上がると、黒板の上方にトリノコ用紙が横長い帯状に貼ってあった。 それは月毎に区切られ、全員の自画像がそれぞれの誕生月に貼り付けてある。 3月生まれで一番誕生日の遅いアタシの顔は、いつも右のはじっこだった。 毎日のようにそれを見ていたせいか、当時のクラスメートの名前と誕生日は 未だに頭に叩き込まれている。誰かと知り合い、たまたま誕生日を聞くことがあると あのタイムテーブルが自然と浮かび「あ、あの子と同じ日だ」とか、一々条件反射的に 関連付けがなされ、一度教わると忘れない。他のことはタチドコロに抜けるのに(-_-;)
という訳で、今日は15歳年下のいとこ、哲郎(※本名)の生まれた日である。 叔母は、アタシの母とは5つしか離れていないが、長く子供が授からなかったため 40の声を聞いての初産だった。彼が生まれたその日、高校一年生だったアタシは 授業が終わるなり帰って鞄を玄関に放り込み、病院にすっとんで行った。 菩薩のように穏やかな表情でスピスピ眠る、生まれたての哲郎…(*´ー`*) 指先で顔に触れてみると、熱くてしっとりした皮膚から湯気が立ちそうな感じがした。 これが女の腹の中にまるまる入っていたのかと、驚嘆しながら矯めつ眇めつ。
その後、叔母はうちに哲郎を見せに来ては「おむつを替えさせてあげよう」と言い アタシは冗談じゃないと辞退したが、子供好きの妹は喜んでやりたがった。 それでも好奇心から抱いてみると、もみじ手をいっちょまえにむすんだり開いたり 短い足をバタつかせてむずかる。妹が抱くとしゅるしゅると静まるのに。 999の鉄郎はメーテルに母の面影をだぶらせていたが、この哲郎ときたら(`◇´)
あれから何年経ったのか… 哲郎もアタシの通っていた高校に入学したという。 もう早10年以上会っておらず、従姉にせくしーなお姉さまがいるという事実を 知っているのかどうかも怪しい。何故なら、母と叔母は年甲斐もない大喧嘩をして 以来10数年、絶縁状態だからだ。互いの気性からして和解の見込みはない。
男で良かったと思うほど不細工な少年だったが、もう色気づいてる年頃だなぁ…。
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