10月29日、落語家・五代目三遊亭円楽さんが76歳で亡くなりました。私が生まれて初めて生で見た落語家さんはこの方でした。中1の夏だったので、28年前のことです。落語を聞いて泣くということも、このとき初めて経験しました。幾つかあった演目のうちのトリが「薮入り」で、温かでとぼけていて“いい話”ですが、「奉公先から久々に帰ってきた息子の顔を見る父親」になりきった円楽さんを見て、目が涙が流れるというより、ぼろっと垂れるように落ちてきたのを覚えています。