土曜日生まれは腰痛持ち

2009年08月06日(木) 「崖」 石垣りん

戦争の終わり、
サイパン島の崖の上から
次々に身を投げた女たち。

美徳やら義理やら体裁やら
何やら。
火だの男だのに追いつめられて。

とばなければならないからとびこんだ。
ゆき場のないゆき場所。
(崖はいつも女をまっさかさまにする)

それがねぇ
まだ一人も海にとどかないのだ。
十五年もたつというのに
どうしたんだろう。
あの、
女。

(詩集「表札など」から/1968)

中学校の教科書に載っていたと記憶しています。

非常に失礼ながら、当時の担当教諭の力量不足と、
生徒の理解不足という二重の不幸により、
(この「生徒」とは、私だけではない気がします)
「解説された額面どおりにしか理解できない詩」ですが、
いまだに何か、物すごく損をしている気にさせられます。


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