「極悪女王」ゆりやんレトリィバァ 唐田えりか
※※ 8点 ※※
プロレスファンの私としては、見るのをすごく躊躇ったドラマです… なぜなら、ダンプ松本選手の生い立ちとか苦労とかを知ってたからです。 暗い気持ちになっちゃうだろうな…と、想像がついたので。
結論から言うと、見て良かったです。 とても面白かったです!
プロレスファンとして、プロレスを扱ったものがこんな風に話題になるのはとても嬉しいです。 これがきっかけで、一人でもプロレスファンが増えてくれたら嬉しいですね。
ただ… 「ブック」とか、そういう隠語は使って欲しくなかったですけど。 ケツを決めてることくらいは良いですが、わざわざ隠語を使う必要は無いと思いましたね。 業界の裏を知ってますよ!みたいな感じに、少し嫌悪感はありました。
まあ、全体的に面白かったし、いい作品だとは思ったのですが… 一プロレスファンとして二つほど。
まず… ドラマって普通、事実を少し大袈裟に表現するものじゃないですか。 大袈裟と言うか、盛ると言うか、デフォルメすると言うか…
でも、このドラマはむしろ女子プロの実態をだいぶ控えめに描いてましたね。 ダンプ松本さんのエピソードも。 あれで控えめです(笑)
私の知る限り、女子プロレスの世界はあのドラマより遥かに凄まじい! たぶん、Netflix ですら放送できないレベルですね。 基本、家庭環境に恵まれずに育った女性たちの世界ですから。 凄まじいです。
私の知ってる事実をだいぶ隠して(?)くれてたので 私もそこまで暗い気持ちにならずに見られました(笑) あんな話やこんな話も出て来ちゃうのかな… そんなの見たくねーな… とか思ってたので。
それともう一つ… ゆりやんも、唐田さんをはじめとする女優陣も 試合のシーンについてとても頑張ってたと思います。 すさまじい努力もされたことでしょう。 あれだけ出来れば立派です。 素晴らしいです。
でもね… あらためて試合シーンを見て思ったのは
「フワちゃんって天才だったのね!」
今、彼女のことを語るのは禁句なのかも知れませんが(笑) フワちゃんは、タレントのプロレスのセンスとしてはアタマ二つくらい抜けてたんじゃないでしょうか?
極悪女王に出てる女優さんたちも、相当に練習したようですが たぶんフワちゃんと同じ期間くらい練習したようなのですが… ちょっと彼女はレベルが違ったわ。
ロープワークとボディスラムに、どうしても出てしまうんですね。 (剛力さんのロープワークは上手かった!) ロープワークという受け身と、ボディスラムという一番シンプルな攻撃技… そこが一番難しいんですよ。
フワちゃんのそれは、もう本当にプロレベルでしたから。 極悪女王の女優さんたちは「上手い素人」という感じでしたね。
もちろん、それで充分だとは思ってますけど。 プロレスに真摯に向き合ってもらっただけで嬉しいですから。
いやはや… それにしても、もう地上波のドラマは勝てないですよ。 無理だわ。
ますますテレビ離れが進みそうな、そんな素敵なドラマでした。
|