なんとなく続いている日記

誰かに読ませるつもりで書くものではないが
誰かに読まれた時のことも考えて書くもの。
それが日記。

では、Web日記とは一体・・・

2008年08月26日(火) トムとジェリーの話?

トムがこの世を去って何年経ったでしょうか・・・
ジェリーもすっかり大人になってしまいました。

数年前、トムは自分の命の終わりがすぐそばまで来ているのを知った時にこっそりジェリーの前から姿を消しました。ジェリーの前で弱くなった自分を見せたくなかったのか、それとも猫の習性なのか・・・それは今でもわかりません。

トムがいなくなったのに気づいた時、ジェリーは退屈になるな・・・とは思いましたが、特に悲しみはしませんでした。トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。ただ、胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのかはジェリーにはよくはわかりませんでした。ジェリーの心の中でトムはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でしかなかったのです。

そんなある日、ジェリーの前に一匹の猫が現れました。
トムよりのろまで体も小さい猫です。

喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、 今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。

そこでジェリーは穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して、その罠をその猫にかけてやることにしました。いつもトムにしていたように。

ジェリーは物陰に隠れて、ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。 ジェリーはしめしめと思いました。いつものように自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ!うふふ。手やしっぽを罠に挟まれ飛び上がる猫の姿が頭に浮かび愉快です。

ところが・・・

猫は罠の近くまで来た時に、ジェリーが出て来るより早くねずみの匂いに気づき、目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました。

ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げたのですが、トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい体をガブリと噛まれました。ジェリーも必死に噛みつき反撃しましたが、 トムより体が小さい猫なのにびくともしません。トムはあんなにも痛がっていたのに・・・

血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で始めて知ったのです。
本当はねずみが猫と喧嘩しても勝てるわけがないことを。
いつもトムはジェリーにしてやられた「ふり」をしてくれていたことを。
わざとジェリーを捕まえないでいたことを。

そして、トムの大きな優しさと友情に気づいたのです・・・

トムがいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました。
それは、かけがえのない友を無くした悲しみでした。

ジェリーの魂が体を抜けた時、 空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました。

「今度こそ捕まえてやるからな!」

「望むところだ!また逃げ切ってみせるさ!!」


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某所で拾って来た話です。

ま、別にそんなにいい話でもないけど なんとなく。


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