エロとピンクとアミタイツ。
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2008年05月05日(月) 東京が嫌いなら帰ればいいのに。



『東京の人は冷たい』


よく聞く言葉です。

道を聞いても教えてくれない。
ぶつかっても何も言わない。
親身になってくれない。
だから、東京の人は、冷たい。

間違ってないけど間違ってるね。
なんでかって?
東京は、結局地方から風呂敷かついでやってきた、
田舎者、ヨソモノで構成されているからです。
東京の人が冷たい、のではない。
正確に言うと、
「東京を歩いている臆病な地方出身者は目を合わせない」だけなのである。


渋谷センター街の近くで育った私は、
話しかけてくる大人が「アホなキャッチ」なのか、「道に迷った人」なのか判別できる。
だから私は商売目的でない人の話は聞くし、
むしろ旅先で何度も人に助けられている私は、
ガイドマップを手に迷っている人を見つけると放っておけず、
「どこかお探しですか?」
と、声をかけることすらある。
すると、だ。
東京で声をかけてくる人間は全員悪徳キャッチセールス人だと思っている
地方のアナタは、結構な形相で私を振り返り、ひとことこう言う。
「…大丈夫ですっ!!」

バリアが高すぎるんだよ。
その対・東京バリアを、他人に向けるから
東京の人は冷たい、という悲しい話になってくるんだ。
違うんだってば。
あんただよ。

それは、東京で話しかけてくる他人=全員キャッチかキャバの勧誘で、
売り飛ばされるか有り金全部巻き上げられる、という間違った教育を
田舎の学校で教わった結果なのだ。



私は東京の真ん中で生まれて育った。
悪いけど地元には町内運動会だって、お神輿担ぐお祭りだって、
盆踊りだってあるし、子ども会もある。
悪いけど生まれたときから知ってる隣近所の皆さんには
道であえば挨拶するし、子どもが生まれれば見せに行くよ。
東京だって、コミュニティーはしっかりしてるのだ。


じゃあ、なんで東京に「いる」人間を疎遠だと感じるのか?
正解は、「冷たい、冷たい」って大騒ぎするあんたたち地方出身者が
大量に押し寄せて、虫食いのよう東京を侵した結果です。
あんたが田舎のおかあちゃんからもらったお金で借りたマンション、
両隣ノックして出身聞いてごらん?

学校にたとえてみよう。

学級にひとりやふたりの転校生ならちやほやできるし
新しいコミュニティー・関係も、たやすく形勢できる。
でももし、教室の8、9割が転校生だったら?

その状況のもと、お互い転校生だということを知らないで話しかけたとする。
「ねえ、図書室どこ?」
「・・・」
まだ「場」に慣れてないという理由で、
相手にそっけない態度を取られた場合。
その転校生はこう思うのでしょう。

『この学校は冷たい』

あなた達が「冷たい」って思ってる人間の、
90パーセントは地方出身者です。
道を聞いても教えてくれないのは、
単に知らないのです。

もしくは、ヨソモノが集まったこの狭い東京という街で、
ヨソモノ同士がぎゅっと詰まって生活するため、
自然と幅広のパーソナルスペースが形成されたに違いないんだ。
でも、そこで押さえておいてほしいのは、
あなた達が恐れる「東京型パーソナルスペース」は、
「東京に出てきた地方出身者」が作り出したものであって、
もともと東京にあったものではないのだ。
(もちろん、全員とは言わない。)

しかしながら、生粋の東京人ですら、今日にあっては
その影響を受けていないとは言いがたい。
何故なら、東京に出た結果、土地(すなわち、そのコミュニティー)を愛し、
一生を過ごすのならばまだしも、
彼らはものすごいサイクルで入れ替わっていく。
夢破れて故郷に帰り、その空き部屋にはまた新しい地方出身者が入る。

つきあいきれないのである。
地方出身者はどうせいつかいなくなる、ということを
東京の人間は身を持って知っている。

それでも私は、「東京の人は冷たい」を否定したい。
街で出会う「そっけない人」の大半は地歩出身者だ。
何度も言うように、「東京を歩いている臆病な地方出身者は目を見ない」だけなのだ。



私は東京を愛しています。東京は案外つながってるものです。
つながろうとする人にはね。
それでもなお「東京人は冷たい」というのならば、
荷物まとめて明日実家に帰りなさいよ。
だあれも止めないし、むしろ自殺しても誰も気がつかないから。
あんたの理論で言うとね。


小日向マリー |MAIL

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