(私が)忘れなければいい…谷口の日記

谷口

肉 削
2006年10月04日(水)

口の中に血の味が広がった。


小刻みに突く痛みが私を襲う。
しかし、その痛みから逃げる事は赦されない。
そう、わたしは一度逃げ出しているからだ。

一度、卑怯ものと罵られるような醜態を晒した。
それでもいいと思った。
ただ泣きじゃくる我が儘な子供のように現実から目を背けたのだ。
一瞬でもいいから母の胸の中に居るような安息を心の底から欲したのだ。
そして、その時間は手に入れるのは容易いが、ただの逃げにしかならない事などわたしが一番良く知っていた。

安息を貪った結果がこのザマだ。

私は胸中で苦笑した。
昔は周囲を責め立てもした。「裏切り者め」と叫んだ事もあった。
だが、時と共に彼等だけが何も悪ではないと思うようになった。
そして今、わたしは自業自得ともいうべき制裁をこの身に受けている。
すべてを悟った聖人の顔をするわけではない。
わたしは愚かな人間だ。ただ、ありのままの現実をその痛みと共に受入れようと、ぼんやりと思うようになっただけだ。

また、口の中が切れた。


血の味さえわからなくなってくる。


所詮、人間は生まれるのも独りならば死ぬのも独り。
ならば、今度こそ潔く正面から清々堂々勝負を挑もうではないか。


歯石取りという苦行に
       
         --------------------終

南方謙ニ Bloody teethシリーズ「肉 削」より





わたくしが歯石取りに逝って来たという話。
昔、あまりの痛さに二度と行かなくなってしまったんですが、いい加減大人なので行って来ました。いや、逃げ出した時も大人だったんですが。
やっぱり、ハードボイルドジャンルに身を置くものとしては目を背けず独りでも徹底的に歯医者と戦うしかないと決意しました(なんでそんなに大袈裟なの)
でも、やっぱり痛かったです…orz
しかし昔行っていた歯科は先端が鋭利な耳掻きみたいな機具で歯と歯の間をギリギリしたり、歯の生え際の部分をやはり同じ先端が鋭利な耳掻き機具でギリギリしたりされて激痛の上出血多量「中世ヨーロッパの拷問機具か!!!!!!!!!」と思うぐらい痛かったんですが、今回行っている歯科は電動研摩機みたいなので削るのでそこまでは痛くなかったです。

しかし、「痛かったら言ってくださーい」と言うくせに「いたいれふ!!(痛いです!)」というと「はーい、もう少しですから我慢してくださいねー」(サクっと)と言われるのは何処も一緒です。

人間不信になったらどうするんだ!!!悪魔め!!!!!(だからなんでそんなに大袈裟なの)



拍手ありがとうございます!!

藍里さん(多分)
三浦しをんはエッセイは大体読んでますよー
小説事体は2册くらいしか読んでないのにエッセイは「妄想炸裂」「乙女投げやり」「しをんのしおり」「人生激情」ボイルドエッグのエッセイと大体欠かさず読んでるクチです(大体欠かさずって日本語矛盾しとるよ)
直木賞取った時も「直木賞歴代4人目の20代受賞」とかでなく「直木賞歴代初の腐女子の受賞じゃ…」と思ったりもしましたけど一般社会でそうやって取り上げられるのはアレがナニな感じだったので「直木賞歴代4人目の20代受賞」で良かったです…
生きる腐女子の標本のような方ですよね(笑)
「腐女子の萌えってこういう事なのかー」とたまに教えられたりします(え?)


三浦しをんと弟さんの関係は、まんまわたくしと愚弟の関係に通じる所がありとても他人事とは思えないのでございます(笑)










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