私は、意識的に男っぽく振る舞うようにしている。 男は、私が本気を出せばすぐに落ちるからだ。 そうなるのが嫌だから、 いつでも必要以上に『女』を消している。 今の職業を選んだのも そういう意図が多少なりとも含まれている、と思う。 そして、大概の男は、 そんな意図に微塵も気付かず、 私を普通ではない女としてカテゴライズする。 おにいちゃんは、 「麻耶は本当に女らしいよ。 でもその女らしさをあまり見せようとしないから この先誰かが側にいてくれるのか心配だ」 と言っていた。 分かる人にしか、見せない。 見せたくない。 だから、きっと、しばらくは。 私は男のように振る舞っていることでしょう。 おにいちゃんを忘れることが出来ずに。 苦しくても、ただ、 仕事だけを私の恋人として。
|