久しぶりに夢を見た。 おにいちゃんが全く出てこない夢。 誰も好きになれなくて 誰からも好かれなくて おにいちゃんとこういう関係になる前のように 強がってモテないキャラを演じている時のあたしの夢。 ひとりでも楽しい、と。 会う人会う人に向かって誇らしげにそう豪語していた。 でも、目がさめて、 すごくすごく哀しい気持ちになった。 もしも、今、おにいちゃんが居なくなってしまったら あたしはその夢と同じことをしなければならなくなる。 昔のあたしと同じように。 むなしくても、やめられずに。 でも。 それよりもなによりも おにいちゃんが今あたしに与えてくれている ささやかだけどとても大事な幸福感がなくなってしまうことが 怖くてしょうがない。 触れ合えること。 話し合えること。 一緒にお酒を飲めること。 けんかできること。 次の約束をすること。 お互いを知っていくこと。 相手のことを考えるだけで こんなにもあたたかいきもちになれること。 欲張りだと思われても良い。 おにいちゃんの傍に居たい。
|