カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 避雷針の音

=避雷針の音=

避雷針はかくかく奇妙に曲がって、地面から生えている。林みたいに避雷針がぽつぽつ立っている。地面の下には避雷針がずっと先まで伸びている。もしかしたら、地球の真ん中まで延びているのかもしれないし、すぐそこまでしかないのかもしれない。
周りの避雷針に雷が落ちる。光って、同時に爆発音。ぱちぱち音が残って、電気はどこか知らないところまで走ってゆく。避雷針が伸びているところまで一気に走ってゆく。走り抜けてゆく振動が、避雷針を震わせる。そして、音が鳴る。金属を曲げて元に戻したような音。

=ココは=

ピエロが言った。「ココは君の来る場所じゃない」僕は聞く。「なんで?」ピエロは眉をしかめていった。少しハの字型の眉。
「ココには夢が無いからさ」
本当は意味がわからなかったけど、分かったような気もしたので頷いたら、僕は眼がさめた。夢には夢がないんだ。

2002年04月06日(土)
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