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昨日、覚悟を決めた勢いで、『炎の蜃気楼』完結編を一気読みしました。 体内の水分を全部出しきったのではないかと思うほど泣いたので、今は空っぽのスカスカです。高耶と直江に対する感情が、過去まで遡って胸にこみ上げてきて、ちょっと大変なことになっちゃってます(苦笑)。
ネタバレになるといけないので内容には触れませんが、14年間読み続けてきて良かった…と心から思えるラストであったことが何より嬉しいです。 私は、前半は直江、後半は高耶に感情移入して読みました。この二人が「最上」を掴みとることなんて本当にできるのだろうかと、不安になったこともありました。正直なところ、ふたりが…とりわけ直江が、このような道を歩くことは最初の頃には予想できませんでした。 個人的にもこの期間は或る意味闘いの日々だったので、この作品をお守りのように思ったこともあれば、主人公たちに自分を重ねて一緒にドツボにハマったこともありました(苦笑)。 読むのがツライ時期もあったけれど、それでもついてゆきたいと思わせて最後まで引っ張ってきてくれたのは、主人公たちと同じく真っ直ぐな力を持つ桑原さんのスゴさです。あとがきで、これ以上一字一句書き足されるものはない…と断言された桑原さんの潔さが、この物語をただ悲しいだけで終わらせていないのも嬉しいです。 この物語に出会えたこと、そして主人公たちがたどり着いた結末がこうであったことを幸せに思います。全てを知った今、もう一度読み返したい気持ちが強いのですが、なんせ40巻もあるので実現できるかどうか…(汗)。
また、今この時期にこの物語がこういう終わり方をしたことについては、もしかすると桑原さんでさえ予想できなかった不思議なタイミングがあったのでは…と思わずにいられません。 『CASSHERN』を見たときにも感じたことですが、私たちが今最も考えるべきことを、伝え得る力を持った人(立場にある人)が、とてもわかりやすい形で見せてくれた…という印象を受けました。 たとえば、高耶と謙信のやりとりのような内容が、もしも現代において国際的な会議の場で行われたとすれば、何かを変えることができるのではないか、何かを動かすことができるのではないか…という期待は、決して夢みたいな話ではないと思うのです。
どんな人でも変わることができるのだということ、傷つけられてもその傷さえ我が身の一部として生きてゆけるということ…。 小説や映画から教訓めいたものを読み取ることはしたくないのですが、それは私自身が日頃から強く意識していることでもあったので、間違っていないと後押ししてもらえたようで嬉しかった。 生きてゆくことはつらいことだし、こんなに長く生きていてもその意味を誰かに問われて答えることは今もできないけれど、行き止まりに見える道にも必ず超える方法があるということを、今より強く確信しています。 |
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