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『デッドエンドの思い出』 よしもとばなな 文藝春秋 - 2004年04月05日(月) 《bk1へ》 よしもとばななの作品は2作目だが(『白河夜船』以来)、健気でひたむきに生きる主人公が登場する。 私が知ってるところの現代に生きる女性からははずれてるような気もするが、きっと女性の本質ってこんなものなのだろうなあと男性読者に理解を促してくれる点は感謝しなければいけないかな(笑) 5編からなる短篇集であるが、内容的にはどれもが“切ない話”である。 幸せすぎないシチュエーションが共感を呼び、幸せな読書を堪能出来ること請け合いである。 逆に“幸せ”って悲しみを乗り越えた時に到達するものなんだなあと実感出来るかな。 巻末のあとがきにもあるように、著者みずから表題作がこれまで書いた作品の中で一番のお気に入りらしい。 誰もが体験する“失恋”というか婚約解消の話であるが、痛々しさを通り過ぎて暖かい人間に成長して行く過程を見事に描いている。 人との触れ合いって本当に大切なんだなと痛感。 よしもと作品の特徴としては山本文緒さんのように強がった主人公も出てこないのであるが(笑)、女性の奥深い所に潜んでいる“等身大の気持ち”を上手く描写している。ありきたりな表現かもしれないが、繊細な心の動きの描写が彼女の最大の個性なんでしょうね。 本作は手に取ればかならずあなたをよしもとワールドに吸引してくれるはず。 きっとあなたの澱んだ気持ちを救済してくれる1冊となるでしょう。 評価8点。 2004年34冊目 (旧作・再読作品8冊目) ...
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