『号泣する準備はできていた』 江國香織 新潮社 - 2004年02月26日(木) 《bk1へ》 《Amazonへ》 直木賞受賞作ということで手にとってみたが、読後感は“つまらない映画を観たあとのよう”な感じである。 やはり男性読者には理解不能の世界なんだろうか? 全然ワクワクするものも感じられないし、心が癒されることもなかった。 よく完読出来たものである。 “たかが直木賞、されど直木賞!”と叫びたい。 12編からなる短編集だが、どの登場人物も総じて“やる気がなく現実逃避型”である。 過去の恋愛がいい想い出となってるわけでもなく、ただ単に過去に縋り付いてるだけのような気がする。 少し我慢をすれば切り抜けれるのに・・・ “恋愛がなかったら生きて行けない”困った人たちだ。 ただ、文章は透明感があって独自の世界を完成してる点は認めざるを得ない。 表題作における描写(本文218ページ)なんかは本当に見事の一言に尽きる。 でも作品全体としたらどうなんだろう? よっぽど、“恋愛経験が豊富な方”でなければ“号泣する”ことはないような気がする。 もし、多くの女性がこの作品に対して高く評価があるとしたらちょっと“カルチャーショック”に陥りそうな気がする。 きっと異性から見て“こんな生き方をしてほしくない”と思えるようなことが同性から見たら“理想の生き方”なのかもしれない。 そう考えると貴重な経験をさせてもらったのかもしれない。 “小説は事実より奇なり!”かな(笑) 評価4点。 2004年22冊目 (新作16冊目) ...
|
|