『夏休み』 中村航 河出書房新社 - 2003年09月08日(月) 本作は『リレキショ』で文藝賞を受賞した中村さんの受賞後第一作で、芥川賞にもノミネートされました。 物語の内容としたら適度に癒されていい作品なのかもしれないが、ちょっとテレビゲームを普段しない方(私もそうなんですが)には馴染めない内容かもしれません。 妻の友人の夫の吉田君の家出を発端として、夫婦のあり方等を考えさせられますが、どう考えても別に離婚を考えなかってもよかったんじゃないかなあと思ったりして消化不良気味かな。 でも、あんまり深く考えずに読んだら心地よい作品かもしれませんね。 ママ(主人公の義母)の登場が作品全体を引き締めてるのは見逃せないが、読後感や感動度ともに前作(『リレキショ』)の方が良かったような気がする。 内容や言葉の使い方などからして“新しい時代の書き手”だなあと痛感。ゲーム感覚で読める若い方(特に新婚世代など)が読まれたら楽しめるかもしれませんね。 表紙が素晴らしいだけに内容がちょっと伴ってないような気がしたのは残念だった。 評価6点。 ...
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